一級建築士 学科試験 予想問題【学科Ⅲ:法規編】問題41〜70・全肢解説
本記事は「一級建築士 学科試験 本試験予想問題集【125問・全肢解説版】」の学科Ⅲ(法規・問題41〜70)です。実際の過去問の転載ではなく、著者オリジナルの予想問題です。
問題41:建築基準法上の用語の定義
- 主要構造部とは、壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいう。
- 構造耐力上主要な部分は、主要構造部と全く同一の範囲を指す。
- 特殊建築物には、学校、病院、劇場、共同住宅、倉庫等が含まれる。
- 建築設備には、電気、ガス、給排水等の設備のほか、煙突、昇降機、避雷針が含まれる。
正答:2構造耐力上主要な部分(基礎等を含む構造安全上の区分)と主要構造部(防火上の区分、基礎を含まない)は範囲が異なる。他は正しい。
問題42:建築物の定義
- 建築物とは、土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するものをいう。
- 建築物には、これに附属する門や塀等が含まれ得る。
- 建築物には、建築設備は含まれない。
- 鉄道の線路敷地内の運転保安に関する施設は、原則として建築物から除かれる。
正答:3建築基準法2条1号の定義上、建築設備も建築物に含まれる。他は正しい。
問題43:特殊建築物
- 学校、体育館、病院は特殊建築物に含まれる。
- 共同住宅、寄宿舎、下宿は特殊建築物に含まれる。
- 工場、倉庫、自動車車庫は特殊建築物に含まれる。
- 一戸建ての専用住宅は、特殊建築物に含まれる。
正答:4一戸建ての専用住宅は不特定多数の利用を前提としないため、特殊建築物には含まれない。他は正しい。
問題44:建築設備の定義
- 電気、ガス、給排水の設備は建築設備に含まれる。
- 換気、暖房、冷房の設備は建築設備に含まれる。
- 煙突、昇降機、避雷針は建築設備に含まれる。
- 建築設備には、構造耐力上主要な部分である基礎が含まれる。
正答:4基礎は構造耐力上主要な部分であり、建築設備(法2条3号)には該当しない。他は正しい。
問題45:居室の定義
- 居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽等の目的で継続的に使用する室をいう。
- 便所や浴室は、一般に居室に該当する。
- 事務室は、一般に居室に該当する。
- 会議室は、一般に居室に該当する。
正答:2便所や浴室のように継続的な使用を目的としない室は、一般に居室に該当しない。他は正しい。
問題46:耐火構造・準耐火構造・防火構造
- 耐火構造は、通常の火災が終了するまで耐えられる性能を有する構造である。
- 準耐火構造は、耐火構造に準ずる耐火性能を有する構造である。
- 防火構造は、外壁又は軒裏について延焼防止の性能を有する構造である。
- 耐火性能の要求水準は、防火構造が最も高く、耐火構造が最も低い。
正答:4性能の序列は耐火構造>準耐火構造>防火構造の順であり、逆である。他は正しい。
問題47:不燃材料等
- 不燃材料は、加熱開始後20分間、燃焼せず、変形しないこと等が求められる。
- 準不燃材料は、加熱開始後10分間の性能が求められる。
- 難燃材料は、加熱開始後5分間の性能が求められる。
- 不燃材料・準不燃材料・難燃材料の性能時間は、すべて同一である。
正答:4性能時間は不燃20分>準不燃10分>難燃5分とそれぞれ異なる。他は正しい。
問題48:建築確認
- 大規模建築物等に係る確認申請の審査期間は、原則35日以内とされる。
- その他の小規模な建築物に係る確認申請の審査期間は、原則7日以内とされる。
- 確認は、建築主事又は指定確認検査機関が行う。
- 建築確認は、工事完了後に行う検査である。
正答:4建築確認は工事着手前に行う手続きであり、工事完了後に行うのは完了検査(法7条)である。他は正しい。
問題49:完了検査
- 建築主は、工事完了後4日以内に到達するよう完了検査を申請する。
- 完了検査済証の交付前は、原則として建築物を使用できない。
- 安全上・避難上支障がない場合には、仮使用の承認等の制度がある。
- 完了検査済証の交付は、建築主の裁量により省略することができる。
正答:4完了検査済証の交付は法定手続きであり、建築主の裁量により省略できるものではない。他は正しい。
問題50:中間検査
- 中間検査は、特定行政庁が指定する特定工程を経過した際に行う。
- 中間検査に合格しない場合、それ以降の工程に進むことができない。
- 中間検査の対象となる特定工程は、全国一律で単一の工程に限定されている。
- 中間検査は、建築主事又は指定確認検査機関が行う。
正答:3特定工程は特定行政庁が地域の実情等に応じて指定するものであり、全国一律で単一の工程に限定されているわけではない。他は正しい。
問題51:容積率
- 容積率は、敷地面積に対する延べ面積の割合をいう。
- 前面道路幅員12m未満の場合、指定容積率と道路幅員による容積率の小さい方が限度となる。
- 住居系用途地域の法定乗数は、原則4/10である。
- 2以上の前面道路がある場合は、幅員が最小のものを基準に算定する。
正答:42以上の前面道路がある場合は、幅員が最大のものを基準として容積率を算定する。他は正しい。
問題52:建蔽率
- 建蔽率は、敷地面積に対する建築面積の割合をいう。
- 防火地域内の耐火建築物等には、建蔽率の緩和(+10%)が適用され得る。
- 街区の角にある敷地についても、建蔽率の緩和(+10%)が適用され得る。
- 指定建蔽率80%の地域内における防火地域内の耐火建築物等には、いかなる場合も建蔽率の制限が適用される。
正答:4指定建蔽率80%の地域かつ防火地域内の耐火建築物等は、建蔽率制限が適用されない(実質100%)特例がある。他は正しい。
問題53:田園住居地域
- 田園住居地域は、農業の利便増進と調和した低層住宅の環境保護を目的とする。
- 田園住居地域は、平成30年(2018年)施行の改正により新設された用途地域である。
- 田園住居地域には、絶対高さ制限(10m又は12m)が適用され得る。
- 田園住居地域は、都市計画法上の用途地域には位置付けられていない。
正答:4田園住居地域は都市計画法8条1項1号に定める用途地域の一つとして正式に位置付けられている。他は正しい。
問題54:道路斜線制限
- 道路斜線制限は、前面道路の反対側の境界線を起点として規制される。
- 道路斜線制限の勾配は、用途地域により1.25又は1.5とされる。
- 道路斜線制限は、原則として全用途地域に適用され得る。
- 道路斜線制限は、専ら商業地域のみに適用される制限である。
正答:4道路斜線制限は商業地域に限らず幅広い用途地域及び用途地域指定のない区域にも適用され得る。他は正しい。
問題55:隣地斜線制限
- 住居系用途地域では、高さ20mを起点として勾配1.25で規制される。
- その他の用途地域では、高さ31mを起点として勾配2.5で規制される。
- 隣地斜線制限は、隣地境界線を基準として規制される。
- 第一種低層住居専用地域には、隣地斜線制限が適用され、絶対高さ制限は適用されない。
正答:4第一種低層住居専用地域には絶対高さ制限が適用され、通常この範囲に収まるため隣地斜線制限は適用されない。記述は逆。他は正しい。
問題56:北側斜線制限
- 北側斜線制限は、低層住居専用地域等における北側の日照確保を目的とする。
- 北側斜線制限は、真北方向の隣地境界線を基準に規制される。
- 低層住居専用地域等では、立上り5m、勾配1.25で規制される。
- 北側斜線制限は、商業地域及び工業地域にも一律に適用される。
正答:4北側斜線制限は低層・中高層住居専用地域等に限定して適用される規定であり、商業地域・工業地域には適用されない。他は正しい。
問題57:日影規制
- 日影規制は、冬至日を基準に検討される。
- 対象区域・建物規模は、地方公共団体の条例で指定される。
- 測定面の高さは、用途地域等に応じて1.5m、4m、6.5m等が用いられる。
- 日影規制は、全国一律の測定面高さで運用されている。
正答:4測定面高さは地域・条例により異なり、全国一律ではない。他は正しい。
問題58:天空率
- 天空率は、斜線制限に代わる基準として用いられる制度である。
- 天空率は、天空に対する建築物の投影割合により算定される。
- 天空率の算定は、道路斜線・隣地斜線・北側斜線のいずれにも適用可能である。
- 天空率による確認を行った建築物は、建蔽率の制限も同時に適用除外となる。
正答:4天空率は高さ制限の代替確認手法であり、建蔽率の制限とは無関係で適用除外にはならない。他は正しい。
問題59:防火地域・準防火地域
- 防火地域・準防火地域内の建築物は、外壁開口部の防火設備等について技術的基準への適合が求められる。
- 防火地域・準防火地域に関する規定は、2019年(令和元年)施行の改正で条文構成が変更された。
- 防火地域・準防火地域内の屋根の性能に関する規定は、建築基準法62条に置かれている。
- 防火地域・準防火地域の指定は、建築基準法に基づき市町村が直接行う。
正答:4防火地域・準防火地域の指定は都市計画法に基づく都市計画決定によって行われる。他は正しい。
問題60:防火区画
- 面積区画は、原則床面積1,500平方メートル以内ごとに区画するものである。
- 高層区画は、11階以上の階を対象とする区画である。
- 竪穴区画は、階段室やエレベーターシャフト等を対象とする区画である。
- 異種用途区画は、同一用途の室同士を区画するものである。
正答:4異種用途区画は用途が異なる部分同士を区画するものである。他は正しい。
問題61:内装制限
- 内装制限は、特殊建築物や大規模建築物等の壁・天井の仕上げを規制する。
- 内装制限の対象には、無窓居室や火気使用室も含まれ得る。
- 内装制限は、床の仕上げ材料を主たる規制対象とする。
- 内装制限に係る技術的基準は、施行令128条の3の2、128条の4等に定められている。
正答:3内装制限は主として壁・天井の仕上げを規制対象とする。他は正しい。
問題62:排煙設備
- 排煙設備は、一定規模以上の特殊建築物等に設置義務がある。
- 自然排煙の有効開口部は、床面積の1/50以上を確保する必要がある。
- 自然排煙の有効開口部は、天井から下方80cm以内に設ける必要がある。
- 排煙設備は、居室の用途や規模にかかわらず、全建築物に一律に設置義務がある。
正答:4排煙設備の設置義務は一定の用途・規模の建築物・居室に限定されている。他は正しい。
問題63:廊下の幅
- 両側に居室がある廊下の幅は、1.6m以上とする。
- 片側にのみ居室がある廊下の幅は、1.2m以上とする。
- 小中学校の児童生徒用の廊下幅は、一般の廊下幅の基準と全く同一である。
- 廊下幅の規定は、避難の安全性確保を目的とする。
正答:3小中学校の児童生徒用廊下は施行令119条で一般基準とは異なる(より大きい)幅員が定められている。他は正しい。
問題64:直通階段までの歩行距離
- 歩行距離の限度は、用途・構造により異なる。
- 主要構造部が準耐火構造等の場合、歩行距離の限度は緩和され得る。
- 内装が難燃材料以上である場合等、さらに緩和され得る。
- 歩行距離の限度は、建築物の用途にかかわらず一律50mと定められている。
正答:4歩行距離の限度は用途・構造に応じて30m〜60m程度の幅があり、一律50mという規定はない。他は正しい。
問題65:2以上の直通階段の設置義務
- 劇場等の一定の特殊建築物には、2以上の直通階段の設置義務がある。
- 共同住宅の5階以上の階等、一定の要件を満たす場合にも義務が生じる。
- 設置義務の要否は、居室の床面積の合計等の要件により判断される。
- 2以上の直通階段の設置義務は、避難安全性とは無関係に定められた規定である。
正答:42以上の直通階段の設置義務は避難安全性確保を目的とした規定である。他は正しい。
問題66:非常用の照明装置
- 非常用の照明装置は、停電時に避難上必要な照度を確保するための設備である。
- 特殊建築物の居室等に設置義務がある。
- 採光上有効な開口部の面積が床面積の1/20未満の居室にも設置義務が生じ得る。
- 非常用の照明装置は、消防法に基づいて設置される設備である。
正答:4非常用の照明装置は建築基準法施行令126条の4・126条の5に基づく設備であり、消防法に基づくものではない。他は正しい。
問題67:非常用の進入口
- 非常用の進入口は、原則として3階以上の階に設置義務がある。
- 進入口の大きさは、幅75cm以上、高さ1.2m以上等の基準がある。
- 進入口は、道路又は道路に通ずる一定幅員以上の通路等に面する外壁面に設ける。
- 非常用の進入口は、居住者の避難経路として使用することを主目的とする設備である。
正答:4非常用の進入口は消防隊が外部から進入するための設備であり、居住者の避難経路そのものを主目的とするものではない。他は正しい。
問題68:構造計算(保有水平耐力計算等)
- 保有水平耐力計算は、大地震動に対する安全性を確認する二次設計に位置付けられる。
- 保有水平耐力計算における標準せん断力係数Coは、1.0以上とする。
- 一次設計における標準せん断力係数Coは、0.2以上とする。
- 層間変形角は、いかなる場合であっても1/200を超えることが認められる。
正答:4層間変形角は原則1/200以内とし、外装材脱落防止等の基準を満たす場合に限り1/120まで緩和される。無条件の緩和は誤り。他は正しい。
問題69:2025年4月施行の建築基準法改正(4号特例縮小)
- 改正により、4号建築物の区分は廃止され、新2号・新3号建築物に再編された。
- 新2号建築物では、構造関係規定の審査省略の特例が廃止された。
- 新3号建築物は、引き続き一部の審査省略特例が残る小規模建築物である。
- この改正は、木造建築物の壁量基準には一切影響を及ぼしていない。
正答:4この改正は建物重量化への対応として、木造建築物の必要壁量・柱の小径基準の見直しも含んでいる。他は正しい。
問題70:特定建設業許可等の建設業法
- 特定建設業許可は、下請契約の代金総額が一定額以上となる場合に必要となる。
- 2025年2月1日施行の改正により、基準額は5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)に引き上げられた。
- 建設業許可は、5年ごとに更新が必要である。
- 特定建設業許可の基準額は、制定以来一度も改正されたことがない。
正答:4基準額は2023年1月改正(4,500万円・7,000万円)、2025年2月改正(5,000万円・8,000万円)と複数回改正されている。他は正しい。
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