【一級建築士】頻出用語を「定義・数値・根拠条文」の3点セットで辞書化しました

 一級建築士の学科試験は、用語の意味だけでなく「数値」や「根拠条文」まで問われることが少なくありません。ですが、参考書によっては定義しか載っていなかったり、条文番号が省略されていたりして、結局どこで裏取りすればいいのか分からなくなること、ありますよね。

そこでこの記事では、頻出用語を①定義/②押さえるべき数値/③根拠となる条文・告示・規格番号の3点セットで整理しました。法規科目の得点源になる条文知識はもちろん、構造・環境設備の数値系の暗記にも使える内容です。

巻末には条文番号から内容を逆引きできる早見表も付けています。学習の際の辞書代わりにお使いください。



目次

  • I. 建築計画 用語辞典

  • II. 建築環境・設備 用語辞典

  • III. 法規 用語辞典(条文根拠を特に充実)

  • IV. 構造 用語辞典

  • V. 施工 用語辞典

  • VI. 巻末:法令番号早見表


I. 建築計画 用語辞典

近隣住区論(きんりんじゅうくろん)|計画
定義:小学校を中心に、住民の日常生活圏を単位として都市を計画する理論。C.A.ペリーが提唱。
数値:住区の規模は半径400m程度(徒歩圏)、人口規模5,000人程度を想定。
根拠:都市計画理論(法令上の直接規定なし、計画学の基礎理論として出題)。

コンパクトシティ|計画
定義:都市機能を中心市街地に集約し、都市の拡散(スプロール化)を抑制する都市構造の考え方。
数値:-
根拠:都市再生特別措置法(立地適正化計画制度:同法81条)。

立地適正化計画|計画
定義:市町村が都市機能誘導区域・居住誘導区域を定め、緩やかに都市機能や居住を誘導する計画。
数値:-
根拠:都市再生特別措置法81条〜。

バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)|計画
定義:高齢者・障害者等が円滑に移動・施設利用できるよう建築物等の構造・設備の基準を定める法律。
数値:特別特定建築物のうち床面積2,000㎡以上の特別特定建築物の新築等は建築物移動等円滑化基準への適合が義務(努力義務との区分に注意)。
根拠:バリアフリー法14条、同法施行令5条(対象規模)。

ユニバーサルデザインの7原則|計画
定義:ロン・メイスが提唱した誰もが使いやすい設計の7原則。公平性、柔軟性、単純性、わかりやすさ、安全性、省体力、空間の確保。
数値:-
根拠:計画学の基礎理論。

パーソナルスペース(ホールの4区分)|計画
定義:他者との心理的距離。E.T.ホールが密接距離・個体距離・社会距離・公衆距離の4つに区分。
数値:密接距離は概ね0〜45cm、個体距離45cm〜1.2m、社会距離1.2m〜3.6m、公衆距離3.6m以上が目安(文献により幅あり)。
根拠:環境心理学(法令上の規定なし)。

プライバシーの4形態(ウェスティン)|計画
定義:A.ウェスティンが提唱したプライバシーの分類。孤独、親密、匿名、抑制の4形態。
数値:-
根拠:環境心理学。

アフォーダンス|計画
定義:環境(物・空間)が動物(人間)に対して提供する行為の可能性。J.ギブソンが提唱。
数値:-
根拠:環境心理学・知覚心理学。

ウェイファインディング|計画
定義:人が空間内で目的地を見つけ出すために経路を探索する行動。サイン計画やランドマークの視認性が影響する。
数値:-
根拠:計画学(K.リンチの都市イメージ論と関連)。

近代建築の五原則(ル・コルビュジエ)|計画
定義:ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面の5つ。
数値:-
根拠:建築史(代表作:サヴォア邸)。

レンタブル比|計画
定義:事務所ビル等における延べ面積に対する貸室面積(収益部分)の割合。
数値:基準階で概ね75〜85%程度が目安(対延べ面積比、対基準階面積比の2種の定義に注意)。
根拠:計画学(法令上の規定なし)。

病院の一般病床面積|計画
定義:病院における一般病床1床当たりに確保すべき最低床面積。
数値:6.4㎡以上(内法面積)。
根拠:医療法施行規則16条1項3号。

廊下幅(病院・患者用)|計画
定義:病院における患者が通行する廊下の有効幅員基準。
数値:両側に居室がある場合2.1m以上、片側の場合1.8m以上。
根拠:医療法施行規則16条1項6号。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)|計画
定義:高齢者が安心して住み続けられるよう、安否確認・生活相談サービスが付いたバリアフリー構造の賃貸住宅。
数値:床面積は原則25㎡以上(共用部分に十分な面積を有する場合等は18㎡以上に緩和)。
根拠:高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)5条、同法施行規則。

認知症高齢者グループホーム|計画
定義:認知症高齢者が少人数で共同生活する住居形態。
数値:1ユニット当たり定員は原則5人以上9人以下。
根拠:指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)。

シックハウス対策における換気回数|計画・環境設備
定義:住宅の居室等でホルムアルデヒド濃度を低減するために義務付けられる機械換気の能力。
数値:0.5回/h以上(居室)。
根拠:建築基準法28条の2、建築基準法施行令20条の8。


II. 建築環境・設備 用語辞典

全天空照度|環境
定義:全天空(太陽を除く天空)からの照度。昼光率算定の基準値として用いられる。
数値:設計用に用いる標準値は15,000lx(快晴時約10,000lx、薄曇り時約50,000lx)。
根拠:JIS A 0602(昼光による照明設計基準)。

昼光率|環境
定義:室内のある点の照度を全天空照度で除した比率。時刻や天候によらず室の採光性能を評価できる指標。
数値:昼光率(%) = 室内のある点の照度 ÷ 全天空照度 × 100。
根拠:JIS A 0602。

熱貫流率(U値)|環境
定義:壁体等を挟んだ室内外の温度差1℃当たりに、単位面積を通過する熱量。
数値:単位W/(㎡·K)。値が小さいほど断熱性能が高い。
根拠:JIS A 1420(建築構成材の熱抵抗及び熱貫流率の測定方法)、住宅の省エネルギー基準(国土交通省告示)。

外皮平均熱貫流率(UA値)|環境
定義:住宅の外皮(屋根・外壁・窓等)全体の熱の逃げやすさを外皮面積で平均化した指標。
数値:地域区分(1〜8地域)ごとに省エネ基準値が設定(例:6地域は0.87W/(㎡·K)以下等、基準値は地域・年度で異なるため要確認)。
根拠:建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)に基づく建築物エネルギー消費性能基準(平成28年国土交通省告示第265号)。

シックハウス対策|環境
定義:建材から発散するホルムアルデヒド等による室内空気汚染(シックハウス症候群)を防止するための規制。
数値:居室の機械換気設備は換気回数0.5回/h以上、クロルピリホスを添加した建材の使用禁止。
根拠:建築基準法28条の2、施行令20条の4〜20条の9。

第1種・第2種・第3種換気|環境
定義:給気・排気それぞれを機械式とするか自然式とするかによる機械換気方式の分類。
数値:第1種=給気機械・排気機械/第2種=給気機械・排気自然(室内正圧)/第3種=給気自然・排気機械(室内負圧)。
根拠:建築設備設計基準(国土交通省)。

残響時間|環境
定義:音源停止後、室内の音圧レベルが60dB減衰するまでに要する時間。セービンの残響式で算定。
数値:T=0.161V/A(T:残響時間[秒]、V:室容積[㎥]、A:等価吸音面積[㎡])。
根拠:建築音響学(JIS等)。

床衝撃音遮断等級(L値)|環境
定義:床の衝撃音(軽量・重量床衝撃音)に対する遮断性能を表す等級。
数値:数値が小さいほど遮断性能が高い(LL、LH等の表記)。
根拠:JIS A 1418(床衝撃音レベル測定方法)。

遮音等級(D値)|環境
定義:壁・床等の空気音に対する遮断性能を表す等級。
数値:数値が大きいほど遮断性能が高い(L値と評価方向が逆=頻出ひっかけ)。
根拠:JIS A 1419(建築物・建築部材の空気音遮断性能測定方法)。

BEI(Building Energy Index)|環境
定義:設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で除した値。省エネ基準の適合判定指標。
数値:1.0以下で省エネ基準に適合。
根拠:建築物省エネ法に基づく建築物エネルギー消費性能基準。

PAL*(パルスター、年間熱負荷係数)|環境
定義:非住宅建築物の外皮性能を評価する指標(屋内周囲空間の年間熱負荷を外皮等面積で除したもの)。
数値:用途・地域区分ごとに基準値あり。
根拠:建築物省エネ法に基づく建築物エネルギー消費性能基準。

断熱等性能等級|環境
定義:住宅の外皮の断熱性能を等級で示す住宅性能表示制度上の指標。
数値:等級1〜7まであり、等級4が2025年4月以降の省エネ基準適合義務ラインの最低基準、等級5はZEH水準相当、等級6・7はより高い断熱性能。
根拠:住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく住宅性能表示制度(日本住宅性能表示基準)、建築物省エネ法。

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)|環境
定義:一次エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロまたは概ねゼロに抑えた建築物。
数値:ZEB(100%以上削減)、Nearly ZEB(75%以上削減)、ZEB Ready(50%以上削減)、ZEB Oriented(30〜40%以上削減、延べ面積10,000㎡以上の建築物対象)の区分。
根拠:経済産業省・環境省・国土交通省によるZEBロードマップ。

CASBEE|環境
定義:建築環境総合性能評価システム。環境品質(Q)と環境負荷(L)の両面から建築物を評価。
数値:BEE(Built Environment Efficiency)=Q/Lで算定し、Sランク(素晴らしい)〜Cランク(劣る)に格付け。
根拠:一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が運営する評価制度(法定制度ではなく任意の評価制度)。

クロスコネクション|環境
定義:上水の給水・給湯系統が、それ以外の配管系統(雑用水・排水等)と直接接続されてしまうこと。
数値:-(絶対禁止事項)。
根拠:水道法、建築設備設計基準(給水設備の基本要件)。

吐水口空間|環境
定義:給水栓の吐水口の下端と、水受け容器のあふれ縁との間に確保すべき垂直距離。逆サイホン作用による汚染防止のための措置。
数値:吐水口の口径により異なるが、一般水栓で最小25mm以上等、口径に応じた最小距離が規定される。
根拠:給排水設備規準(空気調和・衛生工学会規格 SHASE-S 206)。


III. 法規 用語辞典(条文根拠を特に充実)

III-1 用語の定義(建築基準法2条関係)

建築物|法規
定義:土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む)、これに附属する門若しくは塀等、及び建築設備を含む。
数値:-
根拠:建築基準法2条1号。

特殊建築物|法規
定義:学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場等。
数値:-
根拠:建築基準法2条2号。

建築設備|法規
定義:建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針。
数値:-
根拠:建築基準法2条3号。

居室|法規
定義:居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室。
数値:-
根拠:建築基準法2条4号。

主要構造部|法規
定義:壁、柱、床、はり、屋根又は階段(防火上の構造的な区分。ただし建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段等を除く)。
数値:-
根拠:建築基準法2条5号。

構造耐力上主要な部分|法規
定義:基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材等)、床版、屋根版又は横架材(梁、桁等)で、建築物の自重・積載荷重・積雪・風圧・土圧・水圧・地震等の外力を支えるもの(主要構造部とは範囲が異なる点に注意)。
数値:-
根拠:建築基準法施行令1条3号。

耐火構造|法規
定義:壁、柱、床等の建築物の部分の構造のうち、通常の火災が終了するまで耐えられる性能として政令で定める技術的基準に適合し、国土交通大臣の認定を受けたもの又は大臣が定めた構造方法によるもの。
数値:耐火性能の時間は部位・階数に応じて1時間〜3時間等が規定される。
根拠:建築基準法2条7号、施行令107条。

準耐火構造|法規
定義:耐火構造に準ずる耐火性能を有する構造。
数値:主要構造部の耐火性能は概ね45分間又は1時間が基準(部位により異なる)。
根拠:建築基準法2条7号の2、施行令107条の2。

防火構造|法規
定義:建築物の外壁又は軒裏の構造のうち、延焼を防止するために政令で定める技術的基準に適合するもの。
数値:加熱開始後20分間、外壁・軒裏の各性能を満たすことが基準の一つ。
根拠:建築基準法2条8号、施行令108条。

不燃材料・準不燃材料・難燃材料|法規
定義:燃焼しにくさの程度による建築材料の区分。不燃材料が最も燃えにくく、準不燃材料、難燃材料の順に基準時間が短くなる。
数値:不燃材料は加熱開始後20分間、準不燃材料は10分間、難燃材料は5分間、それぞれ燃焼せず・変形せず・有害な煙やガスを発生しないこと。
根拠:建築基準法2条9号(不燃材料)、施行令108条の2(準不燃・難燃材料)。

建築|法規
定義:建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転すること。
数値:-
根拠:建築基準法2条13号。

大規模の修繕・大規模の模様替|法規
定義:建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕(原状回復)又は模様替(性能向上等を伴う変更)。
数値:主要構造部の「一種以上」かつ「過半」が基準。
根拠:建築基準法2条14号(修繕)、15号(模様替)。

特定行政庁|法規
定義:建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長、その他の区域については都道府県知事。
数値:-
根拠:建築基準法2条35号。

III-2 面積・高さの算定

敷地面積|法規
定義:敷地の水平投影面積。都市計画区域内で幅員4m未満の道路(いわゆる2項道路)に接する敷地は、道路中心線から2m後退した線を道路境界線とみなし(セットバック)、後退部分は敷地面積に算入しない。
数値:セットバック距離2m(道路中心線から)。
根拠:建築基準法施行令2条1項1号(敷地面積の算定)、建築基準法42条2項(2項道路)。

建築面積|法規
定義:建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積。軒、庇、はね出し縁等の突出部分は、先端から水平距離1m後退した線までを算入。
数値:突出部後退距離1m。
根拠:建築基準法施行令2条1項2号。

延べ面積|法規
定義:建築物の各階の床面積の合計。容積率算定に当たっては、自動車車庫等の床面積(延べ面積の1/5を限度)、エレベーター昇降路、共同住宅・老人ホーム等の共用の廊下・階段部分等が不算入となる緩和がある。
数値:自動車車庫等の緩和上限:延べ面積の1/5。地階の住宅・老人ホーム等の部分の緩和上限:延べ面積の1/3。
根拠:建築基準法52条3項・6項、施行令2条1項4号・2条3項。

建築物の高さ|法規
定義:原則として地盤面からの高さ。屋上に設ける階段室、昇降機塔等の水平投影面積の合計が建築面積の1/8以下であり、かつ高さが12m(道路斜線制限等の場合は5m)以下等の場合は、その部分の高さを算入しないなどの緩和がある。
数値:水平投影面積1/8以下、高さ12m以下(絶対高さ制限や日影規制では別途取扱い)。
根拠:建築基準法施行令2条1項6号。

階数|法規
定義:建築物の地上・地下の階層数。昇降機塔、装飾塔等で水平投影面積の合計が建築面積の1/8以下のものは階数に算入しない。地階も階数に算入する。
数値:水平投影面積1/8以下。
根拠:建築基準法施行令2条1項8号。

地階|法規
定義:床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さが、その階の天井の高さの1/3以上であるもの。
数値:1/3以上。
根拠:建築基準法施行令1条2号。

III-3 建築確認・手続き

建築確認|法規
定義:建築主が建築物の建築等を行う前に、建築計画が建築基準関係規定に適合するか、建築主事又は指定確認検査機関の確認を受ける制度。
数値:確認済証交付までの審査期間は、大規模建築物等(旧1〜3号建築物相当)で原則35日以内、その他(旧4号建築物相当)で原則7日以内。
根拠:建築基準法6条、6条の2。

完了検査|法規
定義:建築工事完了後に、建築主が建築主事又は指定確認検査機関の検査を受ける手続き。
数値:工事完了日から4日以内に到達するよう検査を申請。
根拠:建築基準法7条、7条の2。

中間検査|法規
定義:工事が特定工程を終えた段階で行う検査。特定行政庁が指定する特定工程が対象。
数値:特定工程後4日以内に検査を申請(完了検査と同様の考え方)。
根拠:建築基準法7条の3、7条の4。

建築士による設計・工事監理の義務|法規
定義:一定規模以上の建築物の設計・工事監理は建築士でなければ行えない。
数値:木造:階数3以上、延べ面積500㎡超、高さ13m超又は軒高9m超は一級建築士。木造以外:階数2以上又は延べ面積200㎡超は一級・二級建築士(規模によりさらに区分)。
根拠:建築士法3条、3条の2、3条の3。

重要事項説明・書面交付義務|法規
定義:延べ面積が一定規模を超える建築物の設計・工事監理受託契約締結時に、建築士が重要事項を書面で説明し、契約内容を記載した書面を交付する義務。
数値:延べ面積300㎡超。
根拠:建築士法24条の7、24条の8。

III-4 集団規定(用途地域・容積率・建蔽率)

容積率|法規
定義:敷地面積に対する延べ面積の割合。
数値:前面道路の幅員が12m未満の場合、都市計画で定める指定容積率と、前面道路の幅員のメートル数値に法定乗数(住居系用途地域は4/10、それ以外は6/10)を乗じた数値のいずれか小さい方が容積率の限度となる。
根拠:建築基準法52条1項・2項。

建蔽率|法規
定義:敷地面積に対する建築面積の割合。
数値:防火地域内の耐火建築物等、街区の角にある敷地等はそれぞれ**+10%の緩和(重複適用可)。指定建蔽率80%**の地域内で防火地域内の耐火建築物等は建蔽率の制限が適用されない(実質100%)。
根拠:建築基準法53条、53条3項・6項。

田園住居地域|法規
定義:農業の利便増進と、これと調和した低層住宅の良好な住環境保護を目的として指定される用途地域。
数値:2018年(平成30年)施行の都市計画法・建築基準法改正により新設。
根拠:都市計画法8条1項1号、建築基準法別表第2(に)。

図解:用途地域13種類
用途地域 13種類住居系(8)第一種低層住居専用第二種低層住居専用第一種中高層住居専用第二種中高層住居専用第一種住居第二種住居準住居田園住居商業系(2)近隣商業商業工業系(3)準工業工業工業専用北側斜線:低層・中高層・田園住居 / 絶対高さ10m・12m:低層・田園住居

III-5 高さ制限

道路斜線制限|法規
定義:前面道路の反対側の境界線から一定の勾配で示される高さの限度内に建築物を収める規制。
数値:勾配は用途地域により1.25(住居系)又は1.5(商業・工業系等)。
根拠:建築基準法56条1項1号、別表第3。

隣地斜線制限|法規
定義:隣地境界線から一定の高さを起点に、一定勾配で示される高さの限度内に建築物を収める規制。
数値:住居系用途地域は立上り20m+勾配1.25、その他の用途地域は立上り31m+勾配2.5。
根拠:建築基準法56条1項2号。

北側斜線制限|法規
定義:第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、第一種・第二種中高層住居専用地域(日影規制の対象区域を除く)で、北側の隣地における日照確保のため、真北方向の隣地境界線を基準に規制する高さ制限。
数値:低層住居専用地域等は立上り5m+勾配1.25、中高層住居専用地域は立上り10m+勾配1.25。
根拠:建築基準法56条1項3号。

日影規制|法規
定義:中高層建築物が冬至日に一定時間以上の日影を周囲に生じさせないよう規制する制度。対象区域・規模は地方公共団体が条例で指定。
数値:測定面の高さは、低層住居専用地域等で地盘面上1.5m、その他の地域で4m又は6.5m(条例による)。
根拠:建築基準法56条の2、別表第4。

絶対高さ制限|法規
定義:第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域内で、建築物の高さそのものを制限する規定。
数値:10m又は12m(都市計画で指定)。
根拠:建築基準法55条1項。

天空率|法規
定義:ある地点から建築物を見上げた際に、建築物が空を遮る割合(天空に対する建築物の投影割合)を算定し、道路斜線・隣地斜線・北側斜線に代わる基準として計画の妥当性を確認する制度。
数値:算定した天空率が、斜線制限に適合する高さの建築物(適合建築物)の天空率以上であれば適用除外となる。
根拠:建築基準法56条7項、施行令135条の5〜135条の10。

III-6 防火・耐火関連

防火地域・準防火地域内の建築物|法規
定義:防火地域又は準防火地域内の建築物は、外壁開口部で延焼のおそれのある部分に防火設備を設け、かつ壁・柱・床等が規模に応じた防火性能を有すること等が求められる。
数値:防火地域内で階数3以上(地階含む)又は延べ面積100㎡超は原則耐火建築物等が必要(施行令136条の2で規模詳細規定)。
根拠:建築基準法61条(2019年改正で旧61条・62条・64条の内容を統合)、施行令136条の2。

屋根の性能(防火地域・準防火地域)|法規
定義:防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根は、市街地における火災を想定した火の粉による延焼を防止する性能が必要。
数値:政令で定める技術的基準に適合するもの。
根拠:建築基準法62条。

外壁の耐火構造による隣地境界線への接近|法規
定義:防火地域又は準防火地域内で、外壁が耐火構造である建築物は、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる特例。
数値:-
根拠:建築基準法63条。

防火区画|法規
定義:火災時の延焼・煙の拡散を防ぐため建築物内部を一定の面積・用途・竪穴ごとに区画する規定。面積区画、高層区画、竪穴区画、異種用途区画がある。
数値:面積区画は主要構造部を耐火構造とした建築物等で原則床面積1,500㎡以内ごと。高層区画は11階以上の階が対象。
根拠:建築基準法施行令112条。

内装制限|法規
定義:火災の拡大防止・避難安全確保のため、特殊建築物、大規模建築物、無窓居室、火気使用室等の壁・天井の仕上げを、不燃材料・準不燃材料・難燃材料とすることを義務付ける規定。
数値:居室の壁・天井は仕上げ材料の種類に応じ床面から1.2mを超える部分等、部位ごとの適用範囲が細かく規定される。
根拠:建築基準法35条の2、施行令128条の3の2、128条の4、128条の5。

排煙設備|法規
定義:火災時に発生する煙を排出し、避難や消火活動を支援するための設備。
数値:延べ面積500㎡超の特殊建築物、階数3以上かつ延べ面積500㎡超の建築物、一定規模超の居室等が設置対象。自然排煙の場合、有効開口部は天井から下方80cm以内にあり、床面積の1/50以上。
根拠:建築基準法35条、施行令126条の2、126条の3。

III-7 避難規定

廊下の幅|法規
定義:居室の床面積の合計に応じて必要となる廊下の最小幅員。
数値:両側に居室がある廊下は1.6m以上、その他(片側居室)の廊下は1.2m以上(小中学校等の児童生徒用は基準値が異なる)。
根拠:建築基準法施行令119条。

直通階段までの歩行距離|法規
定義:居室の各部分から避難階又は地上に通ずる直通階段までの歩行距離の最大値。
数値:主要構造部が準耐火構造又は不燃材料で造られている場合等で緩和され、用途・構造により30m〜60m程度(内装が難燃材料以上等の要件を満たすとさらに緩和)。
根拠:建築基準法施行令120条。

2以上の直通階段の設置義務|法規
定義:避難の安全性を高めるため、一定規模・用途の建築物に2以上の直通階段の設置を義務付ける規定。
数値:例えば共同住宅で5階以上の階に居室を有し、その階の居室床面積の合計が100㎡(耐火構造等は200㎡)を超える場合等。
根拠:建築基準法施行令121条。

非常用の照明装置|法規
定義:停電時に避難上必要な照度を確保するための照明設備。
数値:特殊建築物の居室、階数3以上かつ延べ面積500㎡超の建築物の居室、採光上有効な開口部の面積が床面積の1/20未満の居室等、及びこれらの居室から地上に通ずる廊下・階段等の通路に設置義務。
根拠:建築基準法施行令126条の4、126条の5。

非常用の進入口|法規
定義:消防隊が外部から建築物内に進入するために設ける開口部。
数値:3階以上の階に、道路又は道路に通ずる幅員4m以上の通路等に面する外壁面ごとに、当該外壁面の長さ10m以内ごとに1箇所以上設置。開口部の大きさは幅75cm以上、高さ1.2m以上、下端の床面からの高さ80cm以下。
根拠:建築基準法施行令126条の6、126条の7。

敷地内の避難通路|法規
定義:屋外への出口から道又は公園等の空地に通ずる敷地内の通路。
数値:幅員1.5m以上(階数3以下かつ延べ面積200㎡未満の建築物等は90cm以上)。
根拠:建築基準法施行令128条。

III-8 構造規定

構造計算が必要な規模(法20条)|法規
定義:建築物の規模・構造種別に応じ、必要な構造計算のルート(許容応力度計算、許容応力度等計算、保有水平耐力計算、限界耐力計算、時刻歴応答解析等)を定める規定。
数値:木造は階数3以上又は延べ面積500㎡超又は高さ13m超又は軒高9m超、鉄骨造は階数4以上等、RC造は高さ20m超等(規模の詳細は令36条の2等で規定)。
根拠:建築基準法20条、施行令36条〜82条の6。

層間変形角|法規
定義:地震力に対する各階の水平方向の変形(層間変位)を、その階の高さで除した値。
数値:1/200以内が原則(外装材等の脱落防止等、他の技術基準に適合する場合は1/120まで緩和可)。
根拠:建築基準法施行令82条の2。

保有水平耐力計算(二次設計)|法規
定義:大地震動に対して建築物が倒壊・崩壊しないことを確認するための構造計算(いわゆる二次設計)。
数値:保有水平耐力Qu ≧ 必要保有水平耐力Qun。標準せん断力係数Coは1.0以上。
根拠:建築基準法施行令82条の3。

III-9 その他の重要関連法規

開発許可制度|法規
定義:都市計画区域等において一定規模以上の開発行為(主として建築物の建築等の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更)を行う場合に、都道府県知事等の許可を要する制度。
数値:市街化区域内は原則1,000㎡以上(三大都市圏の一定区域では500㎡以上)、非線引き都市計画区域・準都市計画区域は3,000㎡以上、都市計画区域及び準都市計画区域外の区域は10,000㎡(1ha)以上。
根拠:都市計画法29条、同法施行令19条。

防火管理者の選任義務|法規
定義:多数の者が出入り・勤務・居住する防火対象物の管理権原者が選任すべき、防火管理業務を行う資格者。
数値:特定防火対象物(劇場、病院、百貨店等)は収容人員30人以上、非特定防火対象物(共同住宅、事務所等)は収容人員50人以上で選任義務。
根拠:消防法8条、消防法施行令1条の2、3条。

耐震診断義務化(耐震改修促進法)|法規
定義:不特定多数の者が利用する大規模建築物等(要安全確認計画記載建築物等)について、耐震診断を行い結果を報告・公表することを義務付ける制度。
数値:対象は昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を受けた、いわゆる旧耐震基準の建築物が中心。
根拠:建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)7条〜9条。

新築住宅の瑕疵担保責任(品確法)|法規
定義:新築住宅の請負人・売主は、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について、一定期間の担保責任を負う。
数値:引渡しから10年間(特約により20年まで延長可)。
根拠:住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)94条、95条。

建設業許可(軽微な建設工事の基準)|法規
定義:建設業を営もうとする者は原則として建設業許可が必要だが、小規模な工事(軽微な建設工事)は許可不要。
数値:建築一式工事以外は請負代金500万円未満、建築一式工事は請負代金1,500万円未満又は延べ面積150㎡未満の木造住宅工事。
根拠:建設業法3条1項ただし書、建設業法施行令1条の2。

特定建設業許可|法規
定義:発注者から直接請け負った建設工事について、下請契約の総額が一定額以上となる場合に必要となる、より厳格な建設業許可の区分。
数値:下請代金総額5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)※2025年2月1日施行の政令改正による最新値(2023年1月改正では4,500万円・7,000万円)。
根拠:建設業法3条1項、建設業法施行令2条。

建設リサイクル法の対象建設工事|法規
定義:特定建設資材(コンクリート、コンクリート及び鉄からなる建設資材、木材、アスファルト・コンクリート)を用いた建築物等の解体工事・新築工事等のうち、一定規模以上のものについて分別解体・再資源化を義務付ける制度。
数値:解体工事は床面積80㎡以上、新築・増築工事は床面積500㎡以上、修繕・模様替工事は請負代金1億円以上、建築物以外の工作物の工事は請負代金500万円以上。届出は工事着手の7日前まで。
根拠:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)9条、同法施行令2条。


IV. 構造 用語辞典

静定・不静定|構造
定義:構造物の反力数・部材数と、力のつり合い条件式の数(平面骨組では3)との関係による分類。つり合い条件のみで応力が決定できるものが静定、決定できないものが不静定。
数値:つり合い条件はΣFx=0、ΣFy=0、ΣM=0(3条件)。
根拠:構造力学の基礎理論。

断面二次モーメント(矩形断面)|構造
定義:部材断面の曲げ変形のしにくさ(剛性)を表す断面の性質。
数値:矩形断面(幅b、せいh)は I = bh³/12。
根拠:材料力学の基礎公式。

オイラーの座屈荷重|構造
定義:細長い柱状部材が弾性座屈を起こす限界荷重。
数値:Pcr = π²EI / lk²(E:ヤング係数、I:断面二次モーメント、lk:座屈長さ)。
根拠:材料力学(弾性座屈理論)。

地震層せん断力係数Ci|構造
定義:建築物の各階に作用する地震力を算定するための係数。
数値:Ci = Z × Rt × Ai × Co(Z:地域係数、Rt:振動特性係数、Ai:高さ方向の分布係数、Co:標準せん断力係数)。
根拠:建築基準法施行令88条、昭和55年建設省告示第1793号。

標準せん断力係数Co|構造
定義:地震層せん断力係数の算定に用いる基準となる係数。
数値:一次設計(許容応力度計算)時は0.2以上、二次設計(保有水平耐力計算)時は1.0以上。
根拠:建築基準法施行令88条1項・3項。

地域係数Z|構造
定義:地震地域の特性に応じて設定される地震力の低減係数。
数値:おおむね0.7〜1.0の範囲で地域ごとに定められる。
根拠:建築基準法施行令88条1項、昭和55年建設省告示第1793号。

層間変形角|構造
定義:地震時の各階の水平変位(層間変位)を階高で除した値。
数値:1/200以内(他の技術基準クリアで1/120まで緩和可)。
根拠:建築基準法施行令82条の2。

剛性率|構造
定義:各階の水平剛性のバランスを表す指標。各階の層間変形角の逆数を、全階の平均値で除して算定。
数値:0.6以上が望ましい(これを下回ると必要保有水平耐力の割増しが必要)。
根拠:建築基準法施行令82条の6第2号、昭和55年建設省告示第1792号。

偏心率|構造
定義:各階の重心と剛心の水平方向のずれの程度を表す指標。
数値:0.15以下が望ましい(超えると必要保有水平耐力の割増しが必要)。
根拠:建築基準法施行令82条の6第3号、昭和55年建設省告示第1792号。

保有水平耐力|構造
定義:建築物が最終的に保有している水平方向の耐力(終局耐力)。
数値:保有水平耐力Qu ≧ 必要保有水平耐力Qun(Qun=Ds×Fes×Qud等で算定)。
根拠:建築基準法施行令82条の3、昭和55年建設省告示第1792号。

構造特性係数Ds|構造
定義:建築物の靭性(変形能力)を考慮して必要保有水平耐力を低減する係数。部材の粘り強さが高いほど小さい値となる。
数値:おおむね0.25〜0.55程度(架構形式・部材の靭性により変動)。
根拠:昭和55年建設省告示第1792号。

木造の壁量計算|構造
定義:地震力・風圧力に対する必要壁量と、建築物が実際に有する存在壁量を比較し、安全性を簡易に確認する構造計算方法。小規模木造建築物(新3号建築物等)で用いられる。
数値:必要壁量は床面積・見付面積に係数を乗じて算定(2025年施行の建築基準法改正で、建物重量化に対応し必要壁量の基準を引き上げ)。
根拠:建築基準法施行令46条、平成12年建設省告示第1352号(改正含む)。

かぶり厚さ(RC造)|構造
定義:鉄筋コンクリート造において、鉄筋の防錆・耐火性能確保のために必要な、鉄筋表面からコンクリート表面までの最小距離。
数値:耐力壁以外の壁・床は屋内2cm以上、耐力壁・柱・梁は屋内3cm以上・屋外4cm以上、直接土に接する部分・布基礎の立上り部分は4cm以上、基礎(捨てコンクリートを除く)は6cm以上。
根拠:建築基準法施行令79条。

鉄骨の耐火被覆|構造
定義:鉄骨造の柱・梁等を火災時の温度上昇による強度低下から守るための被覆措置。
数値:耐火建築物として要求される時間(1時間、2時間、3時間等、階数・部位により規定)に応じた被覆厚さが必要。
根拠:建築基準法2条7号、施行令107条、平成12年建設省告示第1399号。

耐震診断のIs値(構造耐震指標)|構造
定義:既存建築物の耐震性能を評価する指標。保有性能基本指標に形状指標・経年指標を乗じて算定。
数値:一般にIs≧0.6で「地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い」と判定。
根拠:耐震改修促進法に基づく国土交通省告示(既存建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針)。

液状化現象|構造
定義:地震動により飽和した緩い砂質地盤の間隙水圧が上昇し、地盤がせん断強度を失い液体状になる現象。
数値:地下水位が高く、N値の小さい(概ねN値15以下が目安とされることが多い)飽和砂質土層で発生しやすい。
根拠:地盤工学(液状化判定:道路橋示方書、建築基礎構造設計指針等に判定法あり)。

標準貫入試験(N値)|構造・施工
定義:地盤の硬軟・締まり具合を判定するための原位置試験。
数値:質量63.5kgのハンマーを75cm自由落下させ、サンプラーを30cm打ち込むのに要する打撃回数をN値とする。
根拠:JIS A 1219(標準貫入試験方法)。


図解:構造種別の比較
構造種別の 特徴(比較)木造S造(鉄骨)RC造重さ軽い中重い強み加工しやすい粘り(靭性)耐火・遮音弱点火・腐朽火に弱い・座屈重い・ひび割れ地震力小中大(重いため)

V. 施工 用語辞典

建設業許可(軽微な建設工事の基準)|施工
定義:軽微な建設工事のみを請け負う場合は建設業許可が不要となる基準。
数値:建築一式工事以外:請負代金500万円未満。建築一式工事:請負代金1,500万円未満又は延べ面積150㎡未満の木造住宅。
根拠:建設業法3条1項ただし書、建設業法施行令1条の2。

特定建設業許可・主任技術者・監理技術者|施工
定義:元請業者が下請に発注する代金総額が一定額以上となる場合に必要な許可区分、及び配置すべき技術者の区分。
数値:下請代金総額5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)で特定建設業許可及び監理技術者の配置が必要(2025年2月1日施行の最新基準)。
根拠:建設業法3条、15条、26条。

施工体制台帳|施工
定義:元請負人が下請負人を含めた施工体制を明示するために作成する台帳。
数値:公共工事は原則すべて作成義務、民間工事は下請契約の総額が特定建設業許可基準額(4,500万円以上、建築一式7,000万円以上、金額は改正で変動)等の場合に作成義務。
根拠:建設業法24条の8。

建設リサイクル法の分別解体|施工
定義:特定建設資材を用いた建築物等の解体・新築工事等について、現場での分別解体及び再資源化等を義務付ける制度。
数値:解体工事80㎡以上、新築・増築500㎡以上、修繕・模様替1億円以上、工作物500万円以上。届出は着工7日前まで。
根拠:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律9条。

標準貫入試験|施工
定義:地盤の硬軟を判定するための原位置試験(N値測定)。
数値:63.5kgのハンマーを75cm落下、30cm打ち込みに要する打撃回数。
根拠:JIS A 1219。

アースドリル工法|施工
定義:場所打ちコンクリート杭工法の一種。回転バケットで掘削し、安定液(ベントナイト溶液等)で孔壁を保護する。
数値:-
根拠:JASS 4(建築工事標準仕様書・杭地業工事)。

オールケーシング工法|施工
定義:場所打ちコンクリート杭工法の一種。ケーシングチューブを揺動・回転圧入しながら掘削し孔壁を保護する。
数値:-
根拠:JASS 4。

ガス圧接|施工
定義:鉄筋の端部を突き合わせ、加熱・加圧して接合する継手工法。
数値:圧接後のふくらみの直径は鉄筋径の1.4倍以上、長さは1.1倍以上が外観検査の基準の目安。
根拠:JASS 5(鉄筋コンクリート工事)、公共建築工事標準仕様書。

かぶり厚さ(施工管理上の確保)|施工
定義:スペーサー等により、設計かぶり厚さを確実に確保するための施工上の管理項目。
数値:柱・梁(屋内)3cm以上、基礎6cm以上(設計かぶり厚さは構造の項参照)。
根拠:建築基準法施行令79条、JASS 5。

コールドジョイント|施工
定義:先に打ち込んだコンクリートが硬化を始めた後に、後続のコンクリートが打ち継がれることで生じる不連続な打継ぎ面。強度・水密性・耐久性の低下要因となる。
数値:打重ね時間の限度は外気温25℃未満で150分以内、25℃以上で120分以内が目安(JASS 5等の運用基準)。
根拠:JASS 5(鉄筋コンクリート工事)。

コンクリートの空気量|施工
定義:コンクリート中に含まれる気泡の容積割合。凍結融解抵抗性の確保等のため管理される。
数値:普通コンクリートで4.5%程度が標準(許容差±1.5%程度)。
根拠:JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)。

スランプ値|施工
定義:フレッシュコンクリートの軟らかさ(ワーカビリティー)を示す指標。スランプコーンを引き上げた際の頂部の下がり量。
数値:スランプ値は打設部位・工法により8〜21cm程度の範囲で管理されることが多い(JIS規格上の許容差も規定)。
根拠:JIS A 1101(コンクリートのスランプ試験方法)。

型枠の存置期間|施工
定義:コンクリート打設後、型枠(せき板)を取り外すまでの最低必要期間。コンクリート強度の発現状況に応じて規定。
数値:柱・梁側面・壁のせき板はコンクリート圧縮強度が5N/mm²以上に達すれば脱型可能(またはセメントの種類・気温に応じた日数規定:例えば普通ポルトランドセメントで平均気温20℃以上なら4日等)。
根拠:JASS 5、公共建築工事標準仕様書。

高力ボルト接合|施工
定義:鉄骨部材同士を高力ボルトの導入軸力による摩擦力で接合する方法(摩擦接合が主体)。
数値:締付けは1次締め→マーキング→本締めの順で行う。トルシア形高力ボルトはピンテールの破断で導入軸力を確認。
根拠:JASS 6(鉄骨工事)。

溶接部の非破壊検査|施工
定義:鉄骨溶接部の内部欠陥を破壊せずに検出する検査方法。
数値:超音波探傷試験(UT)、放射線透過試験(RT)、磁粉探傷試験(MT)等。
根拠:JIS Z 3060(鋼溶接部の超音波探傷試験方法)等。

ヒービング・ボイリング・盤ぶくれ|施工
定義:山留め掘削工事における掘削底面の破壊現象。ヒービングは軟弱粘性土地盤で土圧により底面が押し上げられる現象、ボイリングは砂質地盤で地下水の湧昇により底面が破壊される現象、盤ぶくれは掘削底面下の被圧地下水により不透水層が持ち上がる現象。
数値:-(発生機構の違い:土圧起因か水圧起因かを区別)。
根拠:地盤工学会「山留め設計施工指針」。

足場の作業床の幅・手すり高さ|施工
定義:労働者の墜落防止のために足場に設ける作業床・手すりの最小基準。
数値:作業床の幅は原則40cm以上、手すりの高さは85cm以上。高さ2m以上の作業床の端部等には墜落防止措置が必要。
根拠:労働安全衛生規則563条、518条。

特定建設作業の届出(騒音規制法・振動規制法)|施工
定義:くい打機、削岩機等を使用する一定の建設作業(特定建設作業)を行う場合に必要な、市町村長への事前届出。
数値:作業開始の7日前までに届出。規制基準は敷地境界線において騒音85dB以下、振動75dB以下(区域・時間帯により異なる)。
根拠:騒音規制法14条、振動規制法14条。

労働災害統計指標(度数率・強度率)|施工
定義:労働災害の発生頻度・重篤度を表す統計指標。
数値:度数率=(死傷者数/延実労働時間数)×1,000,000。強度率=(労働損失日数/延実労働時間数)×1,000。
根拠:厚生労働省「労働災害動向調査」における定義。

建設業の時間外労働の上限規制|施工
定義:働き方改革関連法による、建設業に対する時間外労働の上限規制(罰則付き)の適用。
数値:2024年4月から適用開始。原則月45時間・年360時間、臨時的な特別条項付き36協定でも年720時間以内等の上限。
根拠:労働基準法36条(2018年改正、建設業は適用に5年間の猶予期間あり2024年4月本格適用)。


図解:建築工事の流れ
工事の 大まかな流れ準備・仮設仮囲い・足場土工事山留め・根切り基礎・杭支持層へ躯体鉄筋・コンクリート等防水屋根・外壁仕上げ内装・外装・建具設備電気・給排水・空調検査・引渡し完了検査

VI. 巻末:法令番号早見表(学科Ⅲ・法規 頻出条文一覧)

  • 建築基準法2条1号〜35号:用語の定義(建築物、特殊建築物、主要構造部、耐火構造等)

  • 建築基準法6条・6条の2:建築確認

  • 建築基準法7条・7条の2:完了検査

  • 建築基準法7条の3・7条の4:中間検査

  • 建築基準法20条:構造耐力(構造計算の要否・ルート)

  • 建築基準法28条:換気設備・居室の採光

  • 建築基準法28条の2:シックハウス対策(換気設備等)

  • 建築基準法35条:特殊建築物等の避難・排煙・非常用照明等

  • 建築基準法35条の2:内装制限

  • 建築基準法42条:道路の定義(2項道路含む)

  • 建築基準法48条:用途地域内の用途制限

  • 建築基準法52条:容積率

  • 建築基準法53条:建蔽率

  • 建築基準法55条:第一種・第二種低層住居専用地域等の絶対高さ制限

  • 建築基準法56条:道路斜線・隣地斜線・北側斜線制限

  • 建築基準法56条の2:日影規制

  • 建築基準法61条:防火地域・準防火地域内の建築物(2019年改正で旧61・62・64条を統合)

  • 建築基準法62条:防火地域・準防火地域内の屋根の性能

  • 建築基準法63条:隣地境界線に接する外壁(耐火構造の特例)

  • 建築基準法施行令1条:用語の定義(地階、構造耐力上主要な部分等)

  • 建築基準法施行令2条:面積・高さ・階数の算定方法

  • 建築基準法施行令46条:木造の軸組(壁量計算)

  • 建築基準法施行令79条:鉄筋のかぶり厚さ

  • 建築基準法施行令82条の2:層間変形角

  • 建築基準法施行令82条の3:保有水平耐力計算

  • 建築基準法施行令82条の6:剛性率・偏心率

  • 建築基準法施行令88条:地震力(Ci、Co、Z、Rt、Ai)

  • 建築基準法施行令112条:防火区画

  • 建築基準法施行令119条:廊下の幅

  • 建築基準法施行令120条:直通階段までの歩行距離

  • 建築基準法施行令121条:2以上の直通階段

  • 建築基準法施行令126条の2・3:排煙設備

  • 建築基準法施行令126条の4・5:非常用の照明装置

  • 建築基準法施行令126条の6・7:非常用の進入口

  • 建築基準法施行令128条:敷地内の避難通路

  • 建築士法3条〜3条の3:建築士の業務範囲

  • 建築士法24条の7・24条の8:重要事項説明・書面交付義務

  • 都市計画法29条:開発許可

  • 消防法8条:防火管理者

  • 耐震改修促進法7条〜9条:耐震診断の義務化

  • 建設業法3条:建設業許可・特定建設業許可

  • 建設業法24条の8:施工体制台帳

  • 建設リサイクル法9条:分別解体等の実施義務

  • 品確法94条・95条:新築住宅の瑕疵担保責任(10年間)


使い方のヒント

  • 各項目の「数値」「根拠」を隠して自己テストする形式(赤シート等)にすると効率的。

  • 法規の条文番号は特に重要な得点源だが、法改正により条文番号自体がずれることがある(例:2019年の防火規定の統合で61〜64条の構成が変化)ため、試験直前は必ず最新の法令集で確認すること。

  • 構造・環境設備の数値は計算問題と直結するため、単なる暗記でなく、なぜその数値になるのか(力学的・物理的な意味)を理解すると応用が利く。


この記事のまとめ

この記事では、一級建築士学科試験の対策として、一級建築士 頻出用語辞典を公開しました。法規や省エネ基準は改正が多い分野なので、ブックマークして定期的に見直すのがおすすめです。

次回は他の科目・テーマも順次公開予定です。「スキ」やフォローで応援していただけると励みになります。

#一級建築士 #建築士試験 #建築基準法 #建築士勉強法 #資格試験

一級建築士 学科試験対策シリーズ一覧

はじめに

まとめ・暗記

暗記事典(拡充版)

科目別「なぜ・比較・ひっかけ」

予想問題

予想問題(科目別)

計画 / 環境・設備 / 法規 / 構造 / 施工

一問一答(科目別)

計画 / 環境・設備 / 法規 / 構造 / 施工

○×クイズ(科目別)

計画 / 環境・設備 / 法規 / 構造 / 施工

まず「暗記項目を1本にまとめた記事」で全体像をつかみ、科目別の「なぜ・比較・ひっかけ」で理解を深め、予想問題・一問一答・○×クイズで仕上げるのがおすすめです。

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