一級建築士 学科試験 予想問題【学科Ⅱ:環境・設備編】問題21〜40・全肢解説
本記事は「一級建築士 学科試験 本試験予想問題集【125問・全肢解説版】」の学科Ⅱ(建築環境・設備・問題21〜40)です。実際の過去問の転載ではなく、著者オリジナルの予想問題です。
問題21:採光・日照
採光・日照に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 昼光率は、室内のある点の照度を全天空照度で除して求められる。
- 全天空照度は、設計に用いる標準値として一般に15,000lxが用いられる。
- 可照時間とは、大気による減衰等を考慮した上で、実際に日照を受けられる時間をいう。
- 日影図は、一般に冬至日を対象として検討する。
正答:3可照時間は大気の影響等を考慮せず地理的条件のみから定まる時間をいう。大気減衰等を考慮した実際の日照時間は「日照時間」であり区別される。他は正しい。
問題22:換気
換気に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 第1種機械換気方式は、給気・排気ともに機械により行う方式である。
- 第2種機械換気方式は、室内が正圧に保たれる。
- 第3種機械換気方式は、トイレ・浴室等に用いられる。
- 第3種機械換気方式では、室内が正圧に保たれる。
正答:4第3種機械換気は排気を機械で行うため、室内は周囲より負圧に保たれる。他は正しい。
問題23:音環境
音環境に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- L値(床衝撃音遮断等級)は、数値が小さいほど遮断性能が優れている。
- D値(遮音等級)は、数値が大きいほど遮断性能が優れている。
- 残響時間は、音源停止後、音圧レベルが60dB減衰するまでの時間をいう。
- マスキング効果とは、他の音の遮断性能自体が物理的に向上する現象をいう。
正答:4マスキング効果は心理的・生理的に他の音が聞こえにくくなる知覚上の現象であり、遮断性能自体が物理的に向上するわけではない。他は正しい。
問題24:伝熱・断熱
伝熱・断熱に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 熱貫流率(U値)は、値が小さいほど断熱性能が高い。
- UA値は、住宅の外皮全体の断熱性能を表す指標である。
- 熱橋は、断熱層が連続することで生じる部位をいう。
- 熱橋は、結露の発生要因となることがある。
正答:3熱橋(ヒートブリッジ)は断熱層が途切れることにより熱が集中的に逃げる部分をいう。「連続することで生じる」は逆の説明。他は正しい。
問題25:建築物省エネ法
建築物省エネ法に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- BEIは、設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で除した値である。
- 断熱等性能等級は、2025年4月以降、等級4が最高等級として位置付けられている。
- ZEB Orientedは、延べ面積10,000平方メートル以上の建築物等を対象とする区分である。
- 2025年4月から、原則すべての新築建築物に省エネ基準適合が義務付けられた。
正答:2断熱等性能等級は2022年改正で等級5・6・7が新設されており、等級7が最高等級。等級4は2025年4月以降の適合義務化の最低ラインに過ぎない。他は正しい。
問題26:給排水衛生設備
給排水衛生設備に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- クロスコネクションは、いかなる場合も禁止される。
- 吐水口空間は、逆サイホン作用による汚染防止のために確保される。
- トラップの封水深は、一般に50〜100mm程度が標準とされる。
- 二重トラップは、排水性能を向上させるため積極的に設けるべきである。
正答:4二重トラップは排水不良の原因となるため禁止されており、積極的に設けるべきものではない。他は正しい。
問題27:空気調和設備
空気調和設備に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- VAV方式は、送風量を可変とすることで省エネルギー化を図る方式である。
- ファンコイルユニット方式は、個別制御性に優れる。
- 全熱交換器は、顕熱のみを回収し、潜熱は回収しない。
- マルチパッケージ方式は、1台の室外機に複数の室内機を接続する方式である。
正答:3全熱交換器は排気の顕熱及び潜熱(湿度)の両方を回収する設備である。顕熱のみを回収するのは「顕熱交換器」であり混同している。他は正しい。
問題28:電気設備・照明
電気設備・照明に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 光束(lm)は光源から出る光の量を表す。
- 保守率とは、経年による照明器具の光束減衰等を見込んだ係数である。
- 非常用照明装置は、消防法に基づいて設置される設備である。
- 契約電力50kW以上では一般に高圧受電が用いられる。
正答:3非常用照明装置は建築基準法施行令126条の4等に基づく設備である。消防法に基づく避難誘導のための灯火は「誘導灯」であり異なる。他は正しい。
問題29:CASBEE
CASBEEに関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- CASBEEは、環境品質(Q)と環境負荷(L)から評価する手法である。
- BEEは、Q/Lにより算定される。
- CASBEEの評価ランクは、Sランクが最も低い評価を示す。
- CASBEEは法定制度ではなく任意の評価制度である。
正答:3CASBEEのランクはSランクが最も優れた評価を示し、Cランクが最も劣る評価である。他は正しい。
問題30:省エネ住宅性能表示
省エネ住宅性能表示に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 断熱等性能等級5は、概ねZEH水準相当の断熱性能を示す。
- 一次エネルギー消費量等級は、等級6が最上位区分として新設された。
- 長期優良住宅の認定基準には耐久性・耐震性・省エネ性能等が含まれる。
- LCCM住宅とは、建設コストの最小化のみを目的とした住宅をいう。
正答:4LCCM住宅は建設から解体・廃棄までのCO2収支をマイナスにすることを目指す住宅であり、建設コストの最小化のみを目的とするものではない。他は正しい。
問題31:立体角投射率
立体角投射率に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 立体角投射率は、昼光率の算定に用いられる係数である。
- 立体角投射率は、窓が見込む天空の割合を表す。
- 立体角投射率は、室内の点から見た窓の位置・大きさに影響される。
- 立体角投射率は、照明器具の配光特性のみを表す指標である。
正答:4立体角投射率は採光計画における天空の見え方に関する指標であり、照明器具の配光特性を表すものではない。他は正しい。
問題32:日射遮蔽係数
日射遮蔽係数に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 日射遮蔽係数は、標準ガラス(3mm)を基準とした日射熱取得の低減割合を示す指標である。
- 日射遮蔽係数が小さいほど、日射熱取得の低減効果が高い。
- 日射遮蔽係数は、換気回数の算定に直接用いられる指標である。
- 日射遮蔽材(ブラインド等)の設置により、日射遮蔽係数を改善できる。
正答:3日射遮蔽係数は日射熱取得に関する指標であり、換気回数の算定に直接用いられるものではない。他は正しい。
問題33:気密性能
気密性能に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- C値は、建物の隙間相当面積を表す指標である。
- C値が小さいほど気密性能が高い。
- 気密性能の確保は、計画換気の実効性を高める上で重要である。
- C値は、断熱性能そのものを直接表す指標である。
正答:4C値は気密性能を表す指標であり、断熱性能(熱貫流率・UA値等)を直接表すものではない。他は正しい。
問題34:熱伝導率と熱貫流率
熱伝導率と熱貫流率に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 熱伝導率は材料固有の値であり、材料内部の熱の伝わりやすさを示す。
- 熱貫流率は、壁体等の構成全体を通した熱の伝わりやすさを示す。
- 熱伝導率が小さい材料を用いれば、一般に断熱性能の向上が期待できる。
- 熱伝導率と熱貫流率は、常に同一の数値となる。
正答:4熱伝導率(材料固有の物性値)と熱貫流率(壁体構成全体の性能値)は算定対象・単位系が異なり、常に同一の数値になるわけではない。他は正しい。
問題35:NC値
NC値に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- NC値は、室内騒音の許容値を評価する指標の一つである。
- コンサートホール等では、NC値の厳しい(小さい)基準が求められることが多い。
- NC値は、周波数特性を考慮せず算定される単純な音圧レベルの平均値である。
- NC値は、空調設備の騒音評価等にも用いられる。
正答:3NC値は周波数帯域ごとの許容値曲線(NC曲線)に基づいて評価される指標であり、単純な音圧レベルの平均値ではない。他は正しい。
問題36:受電設備
受電設備に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 高圧受電の電圧は、一般に6,600Vである。
- 特別高圧は、受電電圧が20,000Vを超えるものをいう。
- 契約電力が50kW未満の小規模建築物では、一般に低圧受電が用いられる。
- 高圧受電と特別高圧受電は、受電電圧の水準が同一である。
正答:4高圧(6,600V)と特別高圧(20,000V超)は受電電圧の水準が明確に異なる区分である。他は正しい。
問題37:事務所の照度
事務所の照度に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 事務所執務室の照度は、JIS基準により概ね750lx程度が目安とされる。
- 照度基準は、作業内容に応じて異なる値が設定される。
- 保守率は、経年による照度低下を見込んで設計時に考慮される係数である。
- 照度基準は、いかなる作業内容であっても一律の数値が適用される。
正答:4照度基準は作業内容・空間用途に応じて異なる数値が設定されており、一律の数値が適用されるわけではない。他は正しい。
問題38:BELS
BELSに関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- BELSは、建築物の省エネ性能を星の数で表示する制度である。
- BELSの評価対象には、非住宅建築物も含まれる。
- BELSは、建築物省エネ法に基づく建築確認手続きそのものである。
- BELSは、省エネ性能の見える化を通じた市場評価の向上を目的の一つとする。
正答:3BELSは省エネ性能の表示・評価制度であり、建築確認手続き(省エネ基準適合性審査)そのものとは別の任意の表示制度である。他は正しい。
問題39:給水方式
給水方式に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 高置水槽方式は、屋上等に設置した水槽から重力により給水する方式である。
- 直結増圧方式は、水道本管の圧力を増圧ポンプで補い直接給水する方式である。
- ポンプ直送方式は、受水槽に貯留した水をポンプで直接必要箇所に送水する方式である。
- 水道直結直圧方式は、あらゆる高さの建築物に規模の制限なく適用できる方式である。
正答:4水道直結直圧方式は水道本管の圧力範囲内でしか給水できず、高層建築物等には高さ・階数の適用制限がある。他は正しい。
問題40:換気回数の算定
換気回数の算定に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 換気回数は、換気量を室容積で除して求められる。
- シックハウス対策における居室の必要換気回数は、0.5回/h以上とされる。
- 必要換気量は、汚染物質発生量を室内許容濃度と外気濃度の差で除して求められる。
- 換気回数は、室の用途にかかわらず常に同一の値が法令上定められている。
正答:4必要な換気回数・換気量は室の用途・汚染源の状況に応じて異なり、法令上一律の値が定められているわけではない。他は正しい。
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