設備設計一級建築士 分野別対策テキスト【非常用照明・避雷設備・蓄電池編】
本記事は「設備設計一級建築士 分野別対策テキスト」シリーズの第7-9章です。平成24〜29年の過去問題を分野別に整理したオリジナル要点整理集です。
第7章 非常用の照明装置・非常電源配線
非常用照明器具の設置間隔
配光方向(蛍光ランプの軸に直角の方向=A系列、平行の方向=B系列)ごと、器具取付高さごとに、単体配置・直線配置・四角配置・端部の設置間隔が定められている。重要:四角配置だけでなく直線配置(A2・B2)でも出題される。図面の実際の間隔を求め、方向(A・Bどちらの列を見るか)を取り違えずに表と照合すること。
非常用照明の設置義務・免除
採光上の無窓居室は、屋外への出口までの歩行距離の長短にかかわらず、非常用の照明装置の設置が必要(歩行距離が短いことを理由に省略不可)。
設置義務が免除される居室等:
- 病院の病室、下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室及びこれらに類する居室
- 共同住宅の住戸
- 学校等(学校、体育館、ボーリング場等)
- 採光上有効に直接外気に開放された通路
- 平成12年建設省告示第1411号に該当する居室(避難階又はその直上・直下階で、歩行距離が一定以下等の要件を満たすもの)
重要:この告示による免除は「避難階の直下階もしくは直上階」等、階の位置に関する要件があるため、3階など要件外の階では免除されない。ホテルの客室のように、居室であれば階数にかかわらず設置が必要な用途もある。前室・避難経路上の共用部にも設置が必要。
非常照明用分電盤の耐熱区分
| 区分 | 性能 |
|---|---|
| 一種耐熱形 | 30分間加熱した際、840度に耐える |
| 二種耐熱形 | 30分間加熱した際、280度に耐える |
| 設置場所 | 必要な耐熱区分 |
|---|---|
| 火気使用室等 | 一種耐熱形 |
| 居室(事務室・打合せ室・食堂等) | 一種耐熱形 |
| 一般廊下(区画なし) | 一種耐熱形 |
| 一般廊下(不燃材料で区画) | 二種耐熱形でも可 |
| 火気を使用しない空調機械室等 | 二種耐熱形でも可 |
| 開放廊下 | 二種耐熱形でも可 |
重要:不燃材料で区画された「居室」(打合せ室等)は一種耐熱形が必要。廊下と居室で要求水準が異なる点に注意。耐熱等級を実際の要求より上げること(二種→一種)は問題ない。
非常照明用分電盤・配線の構造規定
重要:非常照明用分電盤には、主遮断装置(一般の開閉器等)を設置してはならない。盤内の配線用遮断器(MCCB)は床面から1.2m以下の高さに設置する。
MC(電磁接触器)を用いて常用・非常用を切替える場合、非常照明回路はMCの一次側(常時通電される側)に接続する。二次側に接続すると、一般照明消灯時に非常照明も消灯してしまい不適となる。
非常用照明の配線の耐熱区分
| 配線区分 | 耐熱性能 | 使用ケーブル |
|---|---|---|
| 耐熱A種配線(FA) | 110度 | HP:耐熱ケーブル |
| 耐熱B種配線(FB) | 280度 | HP:耐熱ケーブル |
| 耐熱C種配線(FC) | 840度 | FP:耐火ケーブル |
| 一般配線 | ― | CV:架橋ポリエチレンケーブル |
- 直流電源装置(蓄電池設備)から非常照明用分電盤までの幹線は、FP(耐火ケーブル)とする
- 避難経路となる廊下に露出配線する非常用照明の停電検出制御配線は、耐熱B種配線以上とする(耐熱A種では不足)
- 自家用発電装置(予備電源)への配線は、FP(耐火ケーブル)が必要
重要:「予備電源用配線」「分電盤〜非常照明間の幹線」はFP、「停電検出制御配線(露出敷設)」は耐熱B種以上、という区分を混同しないこと。耐熱階級を要求より上げる分には問題ない。
非常用照明の予備電源
組み合わせる場合は、10分間容量の蓄電池設備と、40秒以内に起動する自家用発電装置に限る。電源別置形の非常用照明装置の予備電源は、受変電設備の監視・操作用の蓄電池設備と兼用することができる。
第8章 避雷設備(適用JIS A 4201-2003)
保護レベルと保護方式
| 保護レベル | 回転球体法の半径 | 引下げ導線の平均間隔 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 20m | 10m |
| Ⅱ | 30m | 15m |
| Ⅲ | 45m | 20m |
| Ⅳ | 60m | 25m |
重要:レベルによって半径・間隔が変わるため、問題文の保護レベルを必ず確認する。
保護角法の検討
受雷部(突針)の基準高さhは、原則として地表面から受雷部の上端までの高さとする(陸屋根部分は陸屋根面からでも可)。hと保護レベルに応じた保護角を用いて、保護すべき設備機器・キュービクル・補助水槽等が保護角内に完全に収まっているかを確認する。
重要:屋上に設置されたキュービクル・冷却塔架台・補助水槽などの設備機器の一部が、作図した保護角線からはみ出している(保護角内に入っていない)ケースが最頻出パターン。
その他の避雷設備規定
- エレベーター機械室部分のみが地上20mを超える建築物の場合、エレベーター機械室のみを保護する避雷設備としてよい
- 既存建築物の避雷設備が旧JIS(JIS A 4201:1992)による場合、増築部分についても旧JISを採用してよい
重要:隣接する別敷地の建築物の避雷設備の保護範囲(保護角内)に自分の建築物が入っていても、それを理由に自分の建築物の避雷設備を省略することはできない。避雷設備は原則として建築物ごとに設ける。
第9章 直流電源装置(蓄電池設備)
許容最低電圧Vdの算定
Vd = (Va + Vc) / n
Va:負荷の許容最低電圧降下(V)、Vc:蓄電池と負荷間の配線の電圧降下(V)、n:直列に接続された単電池個数(セル数)
重要:電圧降下Vcは、幹線電圧降下+分岐配線電圧降下の合計を用いる(片方のみを用いる誤りに注意。例:幹線7V+分岐3V=10V)。
容量換算時間Kの採用ルール
重要:算定した許容最低電圧Vd(V/セル)に対し、容量換算時間表の該当欄は、Vd以上のうち直近上位の電圧区分(例:1.72V算定→1.8Vの欄、1.76V算定→1.8Vの欄)を採用する。Vdより低い電圧区分(不利側と誤解されがちな1.7V欄等)を採用するのは不適。
定格放電率換算容量
C = (1/L) × [K1・I1 + K2・(I2-I1)]
C:定格放電率換算容量(Ah)、L:保守率(通常0.8)、K:容量換算時間、I:放電電流(A)。算出したCの直近上位の規格容量(例:200Ah、300Ah、400Ah等)の蓄電池を採用する。
蓄電池の設置環境・組み合わせ
屋外キュービクルに収納される蓄電池の最低蓄電池温度は、その地域の月平均最低気温に5〜10度を加えた温度とする(安全側=高めの温度採用は適合)。自家用発電装置と蓄電池設備を組み合わせる場合は、10分間容量の蓄電池設備と、40秒以内に起動する自家用発電装置に限る(10秒以内起動はより厳しい条件を満たすため適合)。
設備設計一級建築士 対策シリーズ一覧
はじめに
総合テキスト
分野別対策テキスト
- 排煙・換気・シックハウス・冷却塔
- 給排水衛生設備・防火区画配管貫通
- 非常用照明・避雷設備・蓄電池(この記事)
- 昇降機(エレベーター・エスカレーター)
暗記マスター表
過去問・予想問題
- 予想問題集(令和6〜7年法改正対応)
- 過去問学習ノート 目次(平成24〜29年)
- 年度別ノート:H24 / H25 / H26 / H27 / H28 / H29
まず「対策テキスト全14章」で頻出数値を押さえ、暗記マスター表と年度別の過去問ノートで仕上げるのがおすすめです。
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