1級建築施工管理技士 第一次検定②|躯体・仕上げ施工(場所打ち杭・既製杭・型枠側圧・打継ぎ・スタッド溶接・非破壊検査・耐火被覆・ALC・SL材)なぜ・比較・ひっかけ+全肢解説12問【令和8年度】
① 表の「なぜ」欄で、防ぎたい不具合を確認
② 演習12問は自分で答えを決めてから「解答・解説を見る」をタップ
③ 4肢すべての解説で、手順・数値のすり替えパターンを確認
④ チェックリストで仕上げ
- 杭工事(場所打ち杭・既製杭)
- 山留め・排水工法
- 型枠の側圧と打継ぎ
- 鉄筋の定着
- 鉄骨(スタッド溶接・非破壊検査・耐火被覆)
- 外装・内装(ALC・押出成形セメント板・SL材・塗装)
- 本試験レベル演習12問
- 直前チェックリスト
1. 杭工事
| 工法・工程 | ルール | なぜ |
|---|---|---|
| アースドリル工法の安定液 | 掘削孔に安定液(ベントナイト等)を満たす | 孔壁の崩壊を防ぐ |
| スライム処理 | 掘削完了後(1次)と、鉄筋かご建込み後・打設直前(2次)に孔底のスライムを除去 | スライム(沈殿物)が残ると、杭先端の支持力が低下する |
| トレミー管 | 先端を打ち込んだコンクリート中に2m以上入れた状態を保つ | 管を抜きすぎると、安定液やスライムがコンクリートに混入する |
| 杭頭の余盛り | 設計天端より高く打設し、後ではつり取る | 杭頭部は安定液やスライムが混ざった品質の劣る部分になるため |
| セメントミルク工法のオーガー | 掘削時・引上げ時とも正回転 | 逆回転すると、オーガーについた土砂が孔内に落ち、孔壁も乱れる |
2. 山留め・排水工法
| 工法 | 適用地盤 | ポイント |
|---|---|---|
| ディープウェル | 透水性の高い砂礫・砂質土 | 深井戸から大量に揚水し、地下水位を大きく下げる |
| ウェルポイント | 砂質土〜シルト質 | 多数の小径の吸水管で強制的に吸い上げる。粘性土には効果が小さい |
| 切梁のプレロード | 切梁に油圧ジャッキであらかじめ軸力を導入 | 山留め壁の変形・背面地盤の沈下を抑える |
3. 型枠の側圧と打継ぎ
| 側圧が大きくなる条件 | なぜ |
|---|---|
| 打込み速度が速い | 下のコンクリートが固まる前に上から重さがかかる |
| 打込み高さが高い | 液体と同じく、深いほど圧力が大きい |
| スランプが大きい(軟らかい) | 液体に近いほど圧力がそのまま伝わる |
| 気温が低い | 硬化が遅く、液体状態が長く続く |
| 十分に締め固める(振動) | 振動で流動性が高まる |
打継ぎ位置:梁・スラブの鉛直打継ぎは、せん断力の小さいスパンの中央付近に設けます。柱・壁の水平打継ぎは、スラブ・梁の上端(又は下端)に設けます。打継ぎ面はレイタンスを除去し、散水して湿潤にしてから打ち込みます。
4. 鉄筋の定着
定着長さは、鉄筋が引き抜けないよう、コンクリートの中に埋め込む長さです。鉄筋径が太いほど長く、コンクリートの強度が高いほど短くできます(付着力が大きくなるため)。柱・梁の出隅部の主筋、煙突の鉄筋などの末端にはフックが必要です。
5. 鉄骨工事
| 項目 | 基準 | なぜ |
|---|---|---|
| スタッド溶接の仕上がり高さ | 設計寸法の±2mm以内 | コンクリートとの一体性(シアコネクター)を確保 |
| スタッドの傾き | 5°以内 | |
| 打撃曲げ試験 | 15°まで曲げて、溶接部に割れがないこと | 溶接の健全性を簡易に確認 |
| 超音波探傷試験(UT) | 内部欠陥を検出 | 完全溶込み溶接部の内部の溶込み不良・割れ |
| 浸透探傷試験(PT)・磁粉探傷試験(MT) | 表面(・表層)の割れを検出 | 内部欠陥は分からない |
| 吹付けロックウール耐火被覆 | 確認ピンで厚さを確認 | 厚さ不足は耐火性能の不足に直結 |
6. 外装・内装
| 部材・材料 | ポイント | なぜ |
|---|---|---|
| ALCパネル外壁 | 縦壁ロッキング構法が主流 | 地震時の層間変形に、パネルが回転(ロッキング)して追従 |
| ALCパネルの防水 | 吸水しやすいので、外壁は仕上塗材などで防水処理 | 多孔質で水を吸うと、強度・耐久性・断熱性が低下 |
| 押出成形セメント板 | 縦張り=ロッキング、横張り=スライドで層間変形に追従 | |
| カーテンウォール | ファスナーで躯体の層間変位を吸収 | 地震時にガラスやパネルが破損しないように |
| セルフレベリング(SL)材 | 流し込むだけで平滑な床下地。硬化するまで通風を避ける | 風で表面が急乾燥し、しわ・ひび割れが生じる |
| 亜鉛めっき面の塗装 | 化成皮膜処理やエッチングプライマーなどの素地調整が必要 | めっき面は平滑で塗料が付着しにくい |
本試験レベル演習(全肢解説)
4肢で出題し、すべての肢に解説をつけています。
アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 孔壁の崩壊を防止するため、安定液を用いた。
- 鉄筋かごの建込み後、コンクリート打設直前に2次スライム処理を行った。
- トレミー管の先端は、打ち込んだコンクリート中に2m以上入った状態を保った。
- コンクリートの打込み中、トレミー管の先端をコンクリート上面より上に引き上げて打ち込んだ。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:4
トレミー管は「抜かない(2m以上入れておく)」。
既製コンクリート杭のセメントミルク工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- アースオーガーは、掘削時は正回転とした。
- アースオーガーの引上げ時は、孔内の土砂を排出しやすいよう逆回転とした。
- 杭先端部には、根固め液を注入した。
- 掘削中は、孔壁の崩壊を防ぐため掘削液を用いた。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:2
オーガーは「行きも帰りも正回転」。
地下水処理工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ディープウェル工法は、透水性の高い砂礫層などで、地下水位を大きく低下させるのに適している。
- ウェルポイント工法は、透水性の低い粘性土地盤に最も適している。
- 切梁にプレロードを導入すると、山留め壁の変形を抑えることができる。
- 地下水位の低下により、周辺地盤の沈下や井戸枯れが生じることがある。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:2
排水工法は「水が通る地盤」でこそ効く。粘土はそもそも水を出さない。
コンクリートの型枠に作用する側圧に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 打込み速度が速いほど、側圧は大きくなる。
- スランプが大きいほど、側圧は大きくなる。
- 気温が低いほど、側圧は大きくなる。
- 打込み高さが高いほど、側圧は小さくなる。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:4
側圧は「液体に近いほど、深いほど、速いほど大きい」。
コンクリートの打継ぎに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 梁の鉛直打継ぎ部は、せん断力の大きい梁端部に設けた。
- スラブの鉛直打継ぎ部は、スパンの中央付近に設けた。
- 柱の水平打継ぎ部は、スラブの上端に設けた。
- 打継ぎ面は、レイタンスを除去し、散水して湿潤にしてから打ち込んだ。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:1
打継ぎは「力の小さいところ」に。梁・スラブは中央付近。
鉄筋の定着に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 鉄筋の定着長さは、鉄筋の径が太いほど長くする。
- 鉄筋の定着長さは、コンクリートの設計基準強度が高いほど短くできる。
- 柱・梁の出隅部の主筋の末端には、フックを設ける。
- 鉄筋の定着長さは、鉄筋の径やコンクリートの強度に関係なく一定である。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:4
定着長さは「太い鉄筋→長く、強いコンクリート→短く」。
スタッド溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- スタッドの仕上がり高さは、設計寸法に対して±2mm以内とした。
- スタッドの傾きは、5°以内とした。
- 打撃曲げ試験は、15°まで曲げて溶接部に割れ等の欠陥がないことを確認した。
- 打撃曲げ試験で15°曲げたスタッドは、欠陥がなくても必ず交換しなければならない。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:4
スタッドは「±2mm・5°・15°」。
鉄骨溶接部の検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 超音波探傷試験は、完全溶込み溶接部の内部欠陥の検出に用いられる。
- 浸透探傷試験は、表面に開口した割れの検出に用いられる。
- 磁粉探傷試験は、表面及び表面直下の欠陥の検出に用いられる。
- 浸透探傷試験は、溶接部内部の溶込み不良の検出に最も適している。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:4
内部=超音波(UT)、表面=浸透(PT)・磁粉(MT)。
鉄骨の耐火被覆に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 吹付けロックウールの厚さは、確認ピンを用いて確認した。
- 耐火被覆の工法には、吹付け工法、巻付け工法、成形板張り工法などがある。
- 吹付け工法は、複雑な形状の部材にも施工しやすい。
- 吹付けロックウールの厚さは、目視で均一に見えれば確認ピンによる確認は不要である。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:4
耐火被覆は「厚さ=性能」。必ず測る。
外装パネル等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ALCパネル外壁の縦壁ロッキング構法は、層間変形にパネルの回転で追従する。
- カーテンウォールは、ファスナーによって躯体の層間変位を吸収する。
- 押出成形セメント板を縦張りとする場合は、ロッキングにより層間変形に追従させる。
- ALCパネルは吸水しても強度や耐久性に影響がないため、外壁の防水処理は不要である。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:4
ALCは「軽い・断熱性が高い・でも水に弱い」。
セルフレベリング材塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 下地には、吸水調整材を塗布した。
- 標準的な塗厚は、10mm程度とした。
- 施工中及び硬化するまでの間は、窓を閉めて通風を避けた。
- 早く硬化させるため、打設直後から窓を開けて通風を確保した。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:4
SL材は「風に当てない」。
塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 亜鉛めっき面の塗装では、化成皮膜処理などの素地調整を行った。
- コンクリート素地は、十分に乾燥させてから塗装した。
- 気温が5℃未満となるおそれがあったので、塗装を中止した。
- 亜鉛めっき面は錆びにくいので、素地調整を行わずにそのまま塗装した。
▼ 解答・解説を見る(タップ)
正解:4
「錆びにくい=塗りやすい」ではない。めっき面は付着が難しい。
直前チェックリスト
- ☐ 安定液=孔壁保護、スライム処理は1次・2次
- ☐ トレミー管は2m以上コンクリート中に
- ☐ オーガーは引上げ時も正回転
- ☐ ディープウェル=砂礫、ウェルポイント=砂〜シルト、プレロード
- ☐ 側圧:速い・高い・軟らかい・寒い・よく締め固める→大
- ☐ 打継ぎはせん断力の小さいスパン中央付近
- ☐ 定着長さ:太い鉄筋→長く、強いコンクリート→短く
- ☐ スタッド±2mm・5°・15°(欠陥なければそのまま使用)
- ☐ 内部欠陥=超音波、表面=浸透・磁粉
- ☐ 耐火被覆の厚さは確認ピン
- ☐ ALCは吸水→防水処理、縦壁ロッキング
- ☐ SL材は通風を避ける、亜鉛めっき面は素地調整
① 建築学(構造力学・環境・地盤・設備)
② 躯体・仕上げ施工 ← 本記事
③ 施工管理法(ネットワーク計算・応用能力)・法規
ラベル「1級建築施工管理技士」から一覧できます。
※本記事は令和8年(2026年)9月時点の法令・公表情報をもとに作成した学習用オリジナル教材です。試験日程・出題形式・法令数値は改正される場合があります。受検前に必ず試験実施機関の最新の公式情報でご確認ください。
1級建築施工管理技士 対策シリーズ一覧
総合
第一次検定
- ①建築学(構造力学・環境工学・地盤・設備)
- ②躯体・仕上げ施工(杭・型枠・溶接・耐火被覆)(この記事)
- ③施工管理法・法規(ネットワーク・品質・安全)
第二次検定
まず「合格バイブル」で全体像をつかみ、第一次検定は①〜③、第二次検定は経験記述から順に取り組むのがおすすめです。
コメント
コメントを投稿