1級建築施工管理技士 第一次検定①|建築学(構造力学の計算・座屈・断面性能・環境工学・地盤・設備)なぜ・比較・ひっかけ+全肢解説12問【令和8年度】
① 公式は「図をイメージ→式」の順で確認
② 計算問題は電卓なしで解けるよう、数値を自分で代入してみる
③ 演習12問は自分で答えを決めてから「解答・解説を見る」をタップし、4肢すべての解説を読む
④ チェックリストで仕上げ
- 構造力学(曲げモーメント・たわみ・座屈・断面性能)
- 環境工学(光・音・換気)
- 構造(RC・S造の破壊形式)
- 地盤・基礎
- 建築設備(排水・消防)
- 本試験レベル演習12問
- 直前チェックリスト
1. 構造力学の必須公式
| 梁と荷重 | 最大曲げモーメント | 最大たわみ | イメージ |
|---|---|---|---|
| 単純梁・中央集中荷重P | PL/4(中央) | PL³/48EI | 両端の支点反力P/2 × 半スパンL/2 |
| 単純梁・等分布荷重w | wL²/8(中央) | 5wL⁴/384EI | 全荷重wLの半分が支点へ |
| 片持ち梁・先端集中荷重P | PL(固定端) | PL³/3EI | 荷重×腕の長さ |
| 片持ち梁・等分布荷重w | wL²/2(固定端) | wL⁴/8EI | 全荷重wLが重心L/2の位置に作用 |
たわみはスパンの3乗(集中荷重)・4乗(等分布荷重)に比例します。スパンが2倍になると、集中荷重なら8倍、等分布荷重なら16倍たわみます。長い梁ほど急激にたわみやすいことを表しています。一方、ヤング係数E・断面二次モーメントIに反比例します。
| 断面性能(長方形 幅b×せいh) | 式 | 幅bを2倍 | せいhを2倍 |
|---|---|---|---|
| 断面積A | bh | 2倍 | 2倍 |
| 断面二次モーメントI | bh³/12 | 2倍 | 8倍 |
| 断面係数Z | bh²/6 | 2倍 | 4倍 |
梁を縦長に使う(せいを大きくする)と、曲げに対して圧倒的に強く・たわみにくくなります。これが床梁を縦長にする理由です。
| 座屈 | 座屈長さlk | 座屈荷重 |
|---|---|---|
| 両端ピン | l | 基準 |
| 一端固定・他端自由 | 2l | 両端ピンの1/4(最も座屈しやすい) |
| 一端固定・他端ピン | 0.7l | 約2倍 |
| 両端固定 | 0.5l | 4倍(最も座屈しにくい) |
オイラーの座屈荷重 Pk = π²EI / lk²。座屈荷重は座屈長さの2乗に反比例し、E・Iに比例します。
2. 環境工学(光・音・換気)
| 用語 | 単位 | 意味 |
|---|---|---|
| 光束 | lm(ルーメン) | 光源から出る光の量 |
| 照度 | lx(ルクス) | 面に入射する光束の密度(面の明るさ) |
| 光度 | cd(カンデラ) | ある方向への光の強さ |
| 輝度 | cd/㎡ | ある方向から見た面の輝き(まぶしさ) |
| 音の指標 | 大小と性能 | 覚え方 |
|---|---|---|
| NC値 | 小さいほど静か | 騒音の許容値。事務所はNC-35〜40程度 |
| 床衝撃音レベル(L値) | 小さいほど遮音性能が高い | 下の階に聞こえる音の大きさ |
| 室間音圧レベル差(D値) | 大きいほど遮音性能が高い | 壁でどれだけ音が減ったか |
温度差換気(冬期・暖房時):室内の暖かい空気が上部の開口から流出し、下部の開口から外気が流入します。内外の圧力差がゼロになる高さを中性帯といい、中性帯より上は流出、下は流入となります。
3. 構造(破壊形式)
| 現象 | 内容 | なぜ危険か・対策 |
|---|---|---|
| 短柱(RC) | 腰壁・垂れ壁で柱の可とう長さが短くなった柱 | せん断力が集中し、脆性的なせん断破壊を起こしやすい → 構造スリットで縁を切る |
| 局部座屈(S造) | 板要素が局所的に波打つように座屈 | 幅厚比が大きい(薄い板)ほど起こりやすい → 幅厚比の制限 |
| 横座屈(S造) | H形鋼の梁が曲げを受けて横にねじれながら倒れる | 横補剛材を設ける |
4. 地盤・基礎
| 現象 | 起こる地盤 | 内容 |
|---|---|---|
| 液状化 | 地下水位が高く、緩い(N値が小さい)飽和砂質土 | 地震動で砂粒子のかみ合いが外れ、液体状になる |
| 即時沈下 | 砂質土 | 荷重をかけた直後に生じる |
| 圧密沈下 | 粘性土 | 間隙水がゆっくり排出され、長期間かけて進行する |
| 負の摩擦力 | 軟弱地盤 | 周囲の地盤沈下が杭を下向きに引き込む |
5. 建築設備
| 項目 | 基準 | なぜ |
|---|---|---|
| 排水トラップの封水深 | 50mm以上100mm以下 | 浅いと破封しやすく、深すぎると自浄作用が落ち汚物がたまる |
| 二重トラップ | 禁止 | トラップ間の空気が閉じ込められ、排水不良を起こす |
| 屋内消火栓(1号) | 各部分からホース接続口まで水平距離25m以下 | 1号は2人操作、放水量が多い |
| 屋内消火栓(2号) | 水平距離15m以下(広範囲型は25m) | 1人で操作できる |
| 自動火災報知設備(階段・傾斜路) | 煙感知器 | 煙が上昇して集まる場所。熱より早く感知できる |
本試験レベル演習(全肢解説)
1級は4肢択一(応用能力問題は四肢二択)です。ここでは4肢択一で出題し、すべての肢に解説をつけています。
スパン6mの単純梁の中央に集中荷重10kNが作用するとき、最大曲げモーメントの大きさとして、正しいものはどれか。
- 10kN・m
- 15kN・m
- 30kN・m
- 60kN・m
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正解:2
単純梁中央集中は「反力P/2 × 距離L/2=PL/4」。式を忘れても反力から出せる。
長さ4mの片持ち梁の全長に等分布荷重2kN/mが作用するとき、固定端に生じる曲げモーメントの大きさとして、正しいものはどれか。
- 4kN・m
- 8kN・m
- 16kN・m
- 32kN・m
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正解:3
等分布荷重は「合計荷重を重心に集中させる」と考えれば、どの梁でも計算できる。
圧縮材の座屈に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 弾性座屈荷重は、材料のヤング係数に比例する。
- 弾性座屈荷重は、断面二次モーメントに比例する。
- 弾性座屈荷重は、座屈長さに比例する。
- 一端固定・他端自由の材の座屈長さは、材長の2倍である。
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正解:3
座屈長さ:自由2l・ピンl・固定ピン0.7l・両端固定0.5l。
長方形断面(幅b、せいh)の断面性能に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- せいを2倍にすると、断面二次モーメントは8倍になる。
- せいを2倍にすると、断面係数は4倍になる。
- 幅を2倍にすると、断面二次モーメントは8倍になる。
- 幅を2倍にすると、断面係数は2倍になる。
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正解:3
せいは効く(2乗・3乗)、幅は効かない(1乗)。梁は縦長に使う。
照明に関する用語と単位の組合せとして、最も不適当なものはどれか。
- 光束 ― lm
- 照度 ― lx
- 光度 ― cd
- 輝度 ― lx
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正解:4
光束lm→照度lx(面に入る)、光度cd→輝度cd/㎡(見た目の輝き)。
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- NC値が小さいほど、室内は静かである。
- 床衝撃音レベルのL値が大きいほど、床の遮音性能は高い。
- 室間音圧レベル差のD値が大きいほど、壁の遮音性能は高い。
- 残響時間は、室容積に比例し、室内の吸音力に反比例する。
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正解:2
L(聞こえる量)は小さいほど良い、D(減った量)は大きいほど良い。
自然換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 風力換気による換気量は、開口部の面積と風速に比例する。
- 温度差換気による換気量は、給気口と排気口の高低差が大きいほど多くなる。
- 冬期の暖房時、中性帯より上部の開口部からは外気が流入する。
- 室内外の圧力差がゼロとなる高さを中性帯という。
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正解:3
冬の建物は「煙突」。上から出て下から入る。
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 腰壁や垂れ壁が取り付いた柱は、短柱となり、せん断破壊を起こしやすい。
- 柱の帯筋量を増やすと、柱のせん断耐力と靱性が向上する。
- 腰壁付きの柱は変形能力が高まるため、脆性破壊の防止に有効である。
- 構造スリットは、柱と腰壁・垂れ壁の縁を切り、短柱化を防ぐために設ける。
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正解:3
短い柱ほど硬くて脆い。構造スリットで「長い柱」に戻す。
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 板要素の幅厚比が大きいほど、局部座屈が生じにくい。
- H形鋼の梁は、曲げを受けると横座屈を生じることがあり、横補剛材が有効である。
- 高力ボルト摩擦接合の摩擦面は、所定のすべり係数が得られるよう処理する。
- 柱脚の固定度は、露出形式より埋込み形式の方が高い。
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正解:1
幅厚比=幅÷厚さ。大きい=薄い=ペコッと座屈。
地盤及び基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 液状化は、地下水位が高く、緩い飽和砂質土地盤で生じやすい。
- 圧密沈下は、粘性土地盤において長期間にわたって進行する。
- 即時沈下は、主に粘性土地盤で、長い時間をかけて生じる。
- 周辺地盤の沈下により、杭に下向きの負の摩擦力が作用することがある。
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正解:3
砂=すぐ沈む(即時)、粘土=じわじわ沈む(圧密)。
排水設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 排水トラップの封水深は、50mm以上100mm以下とする。
- 二重トラップとならないように設ける。
- 通気管は、トラップの封水を保護する目的で設ける。
- 封水深は深いほど破封しにくいので、150mm程度とするのが望ましい。
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正解:4
封水深は「50〜100mm」。浅くても深くてもダメ。
消防用設備等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1号消火栓は、防火対象物の各部分からホース接続口までの水平距離を25m以下となるように設ける。
- 2号消火栓(広範囲型を除く)は、水平距離を15m以下となるように設ける。
- 自動火災報知設備の感知器は、階段には熱感知器を設ける。
- 自動火災報知設備の感知器は、廊下や通路にも煙感知器を設ける場合がある。
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正解:3
階段・廊下=煙感知器、台所など煙や湯気が出る場所=熱感知器。
直前チェックリスト
- ☐ PL/4・wL²/8・PL・wL²/2の意味と計算
- ☐ たわみはL³(集中)・L⁴(等分布)に比例
- ☐ I=bh³/12、Z=bh²/6、せいが効く
- ☐ 座屈荷重はlkの2乗に反比例、自由端2l・両端固定0.5l
- ☐ lm・lx・cd・cd/㎡
- ☐ NC値・L値は小さいほど良い、D値は大きいほど良い
- ☐ 暖房時は中性帯の上から流出・下から流入
- ☐ 短柱はせん断破壊、構造スリット
- ☐ 幅厚比が大きいほど局部座屈
- ☐ 液状化=緩い飽和砂、即時沈下=砂、圧密沈下=粘土
- ☐ 封水深50〜100mm、二重トラップ禁止
- ☐ 屋内消火栓1号25m・2号15m、階段は煙感知器
① 建築学(構造力学・環境・地盤・設備)← 本記事
② 躯体・仕上げ施工
③ 施工管理法(ネットワーク計算・応用能力)・法規
第二次検定の対策は既存シリーズ「1級建築施工管理技士 第二次検定」をご覧ください(ラベル「1級建築施工管理技士」)。
※本記事は令和8年(2026年)9月時点の法令・公表情報をもとに作成した学習用オリジナル教材です。試験日程・出題形式・法令数値は改正される場合があります。受検前に必ず試験実施機関の最新の公式情報でご確認ください。
1級建築施工管理技士 対策シリーズ一覧
総合
第一次検定
- ①建築学(構造力学・環境工学・地盤・設備)(この記事)
- ②躯体・仕上げ施工(杭・型枠・溶接・耐火被覆)
- ③施工管理法・法規(ネットワーク・品質・安全)
第二次検定
まず「合格バイブル」で全体像をつかみ、第一次検定は①〜③、第二次検定は経験記述から順に取り組むのがおすすめです。
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