FP2級 合格マスター④|実技計算完全攻略【キャッシュフロー表・バランスシート・外貨利回り・路線価評価】
FP2級対策の第4回です。実技試験(日本FP協会・きんざい共通)で配点の大きい計算演習を集中的に扱います。キャッシュフロー表、バランスシート、外貨投資の実質利回り、路線価評価、遺留分、配偶者居住権まで完全網羅します。
キャッシュフロー表の数値連動計算
基本構造と計算ルール:
- 可処分所得(手取り額):年収(額面)-(所得税+住民税+社会保険料)。生命保険料や住宅ローン返済額は引かない(それらは「支出」項目)。
- 将来の金額の計算(変動率の反映):経過年数後の金額=現在の金額×(1+変動率)^n
- 年間収支:収入合計-支出合計
- 翌年の貯蓄残高:当年の貯蓄残高=(前年の貯蓄残高×(1+運用利率))+当年の年間収支。「前年の貯蓄残高」を運用した後に「当年の収支」を合算する。
実戦例題:現在(0年目)の基本生活費300万円(年利1%で物価上昇)、前年(1年目)の貯蓄残高500万円(年利2%で運用)、2年目の収入合計600万円、支出合計550万円。2年目の基本生活費と貯蓄残高を求めよ。
解答:①2年目の基本生活費=300万円×(1+0.01)^2=306.03万円(≒306万円) ②2年目の年間収支=600万円-550万円=+50万円 ③2年目の貯蓄残高=500万円×(1+0.02)+50万円=510万円+50万円=560万円
バランスシート(資産・負債・純資産)作成
FP実務における個人のバランスシート作成では「時価ベース評価」が鉄則です。資産の部には現預金、有価証券(時価)、生命保険(解約返戻金相当額)、不動産(時価)、自動車(時価)を計上。負債の部には住宅ローン残高、自動車ローン残高等。純資産=資産合計-負債合計。
引っかけトラップ:生命保険は「死亡保険金額」ではなく「解約返戻金相当額」を計上する。不動産・有価証券は「購入金額(簿価)」ではなく「現在の時価」を計上する。財形貯蓄や確定拠出年金の資産残高も資産の部に含める。
外貨定期預金の実質利回り計算(実技頻出)
為替手数料(TTSとTTB)を正しく区別して適用できるかが合否を分けます。円を外貨に換えるときはTTS(銀行が売るレート)、外貨を円に戻すときはTTB(銀行が買い取るレート)。覚え方:「銀行目線」(銀行がSellするかBuyするか)。
演習問題:預入金額100万円、期間1年間、年利4.0%(外貨ベース)、預入時レート1ドル=100円(TTS102円、TTB98円)、満期時レート1ドル=105円(TTS107円、TTB103円)。円ベースの年利回りは?
解答:①円を米ドルに換算(TTS適用):100万円÷102円=9,803.92ドル ②満期時の外貨元利合計:9,803.92ドル×1.04=10,196.08ドル ③米ドルを円に換算(TTB適用):10,196.08ドル×103円=1,050,196円 ④利益=1,050,196円-1,000,000円=50,196円、利回り=5.02%
路線価方式による評価計算
路線に「300C」と記載されている場合:路線価=1㎡当たり300,000円(千円単位表記)、借地権割合=C(A:90%, B:80%, C:70%, D:60%, E:50%, F:40%, G:30%)
- 自用地評価額:正面路線価×奥行価格補正率×地積(㎡)
- 借地権価格:自用地価額×借地権割合(A〜G)
- 貸宅地(他人に土地を貸し、他人が家を建てている):自用地価額×(1-借地権割合)
- 貸家建付地(自分の土地に自分のアパートを建てて他人に貸している):自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合30%×賃貸割合)。借家権割合は全国一律30%。賃貸割合は満室なら100%。
遺留分侵害額の計算ルール
遺留分権利者:配偶者、子(代襲相続人含む)、直系尊属。兄弟姉妹には遺留分が一切ない。
遺留分の総額:直系尊属のみが相続人の場合は財産の1/3。それ以外(配偶者や子がいる場合)は財産の1/2。各人の個別遺留分=遺留分の総額×その者の法定相続分。
例:相続人が配偶者と子2人の場合、遺留分全体の割合は1/2。配偶者の法定相続分1/2→遺留分1/4。子1人の法定相続分1/4→遺留分1/8。
配偶者居住権(民法大改正論点)
配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に無償で居住していた場合、終身または一定期間、その建物を無償で使用できる権利です。
- 登記:配偶者居住権は建物の登記簿(甲区)に登記可能(第三者に対抗できる)。
- 譲渡:他人に譲渡することは一切できない(一身専属権)。
- 建物の所有権を「配偶者居住権」と「負担付き所有権」に分割して評価するため、配偶者は住まいを確保しつつ、預貯金などの金融資産もバランスよく相続できる。
不動産の保有・取得時の税金軽減
- 不動産取得税:本則4%→土地および住宅用建物は3%に軽減。宅地評価土地の課税標準は評価額の1/2。
- 固定資産税の住宅用地特例:小規模住宅用地(200㎡以下)は課税標準を1/6に減額。一般住宅用地(200㎡超)は1/3に減額。
法人税の交際費等の損金不算入
資本金1億円以下の中小法人は、①定額控除限度額(年間800万円まで全額損金算入)②飲食費の50%損金算入、のいずれかを選択可能。社内飲食費を除き、1人当たり10,000円以下の飲食費は書類保存を要件として交際費等から除外(全額損金)。
次回は「一問一答50選・実戦模試」編で、在職老齢年金の併給調整、住宅ローン控除の最新要件、本試験仕様の総合演習、学科試験の盲点撃破一問一答を扱います。
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