福祉住環境コーディネーター2級 合格講座①|高齢者・障害者の心身特性と疾患別の住環境整備(脳血管障害・パーキンソン病・関節リウマチ・認知症・視聴覚障害)なぜ・比較・ひっかけ+全肢解説12問
① 表の「困りごと→整備」の流れを声に出して説明できるようにする
② 演習12問は自分で答えを決めてから「解答・解説を見る」をタップ
③ 4肢すべての解説を読み、「ありがちな善意の誤り」パターンを確認
④ チェックリストで仕上げ
- 住環境整備の基本理念
- 高齢者の心身の特性
- 脳血管障害(片麻痺)
- パーキンソン病・関節リウマチ・骨粗しょう症
- 認知症
- 視覚障害・聴覚障害
- 本試験レベル演習12問
- 直前チェックリスト
1. 住環境整備の基本理念
福祉住環境整備の目的は、本人の自立支援と安全の確保、そして介護する家族の負担軽減によって、住み慣れた住まいでの生活の質(QOL)を高めることです。迷ったときは「本人が主体か・自立につながるか・安全か」で判断します。
| キーワード | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| ICF(国際生活機能分類) | WHOが2001年に採択。心身機能・身体構造、活動、参加と、それに影響する環境因子・個人因子で生活機能をとらえる | 「できないこと」だけでなく「できること」に着目。住環境は環境因子にあたる |
| ノーマライゼーション | 障害があっても地域で普通の生活を送れる社会をめざす理念 | デンマークのバンク-ミケルセンが提唱 |
| ユニバーサルデザイン | 最初から、年齢・能力を問わず誰もが使いやすいように設計する | 「後から障壁を取り除く」バリアフリーとの違い |
| アセスメント | 本人の心身状況・生活・住まい・家族等を評価すること | 住宅改修の前に必ず行う |
2. 高齢者の心身の特性
| 機能 | 変化 | 住環境での配慮 |
|---|---|---|
| 視覚 | 水晶体が濁り(白内障)、まぶしさに弱く、暗さに慣れるのに時間がかかる。青系の色が見えにくい | 全体を明るく(若年者の2〜3倍が目安)、グレア(まぶしさ)を防ぐ間接照明、足元灯 |
| 聴覚 | 高音域から聞こえにくくなる | インターホン・警報に光の表示を併用 |
| 筋力・バランス | 下肢の筋力低下、すり足になりやすい | わずかな段差の解消、手すり |
| 体温調節 | 温度変化への反応が鈍い | ヒートショック対策(脱衣室・浴室・トイレの暖房) |
| 骨 | 骨粗しょう症で骨折しやすい | 転倒予防が最優先 |
3. 脳血管障害(脳卒中)
脳梗塞・脳出血などで、片麻痺(体の片側のまひ)、失語症、嚥下障害、高次脳機能障害などが残ることがあります。右脳の障害では左片麻痺、左脳の障害では右片麻痺(右片麻痺では失語症を伴いやすい)となります。
| 場面 | 整備のポイント | なぜ |
|---|---|---|
| 手すり | 健側(まひのない側)の手で握れる位置に設置 | まひ側の手では握れない。往路と復路で左右が入れ替わるため、廊下は両側設置も検討 |
| 階段 | 上りは健側の足から、下りは患側の足から | 上りは力の出る健側で体を持ち上げ、下りは健側で体重を支えながら患側を下ろす |
| 移乗 | ベッド・車いす間の移乗は健側に向かって行う配置 | 健側の手足で体を支えられる |
| ドア | 開き戸より引き戸 | 開閉時に体を前後に動かさずに済み、バランスを崩しにくい |
4. パーキンソン病・関節リウマチ・骨粗しょう症
| 疾患 | 特徴 | 住環境整備 |
|---|---|---|
| パーキンソン病 | 振戦(ふるえ)・筋固縮・無動(寡動)・姿勢反射障害。小刻み歩行、すくみ足(歩き出しや方向転換で足が出ない) | 段差の解消、手すり、床に目印のテープを貼ってまたぐ意識で歩きやすくする。方向転換の少ない動線 |
| 関節リウマチ | 朝のこわばり、手指など多くの関節の痛み・変形 | レバーハンドル・レバー水栓(握らずに操作)、高めの便座・いす(立ち座りの負担軽減)、軽い力で動く引き戸 |
| 骨粗しょう症 | 骨がもろく、大腿骨頸部骨折などを起こしやすい | 転倒防止(段差解消・滑りにくい床・手すり・照明)。骨折は寝たきりの原因となる |
5. 認知症
中核症状は記憶障害・見当識障害・判断力(理解力)の低下など。環境や周囲の対応によって、行動・心理症状(BPSD)(徘徊、興奮、妄想など)が現れることがあります。
住環境整備の原則:①環境の変化は最小限に(大がかりな改修や家具配置の急な変更は混乱を招く)、②トイレなどをわかりやすく表示、③危険なもの(火の元など)の安全対策、④本人の尊厳を守り、否定・叱責しない。
6. 視覚障害・聴覚障害
| 障害 | 困りごと | 整備のポイント |
|---|---|---|
| 視覚障害(全盲) | 位置・方向の把握 | 手すりを連続させて伝い歩きの手がかりに、家具の配置を変えない、音声で知らせる機器 |
| 視覚障害(ロービジョン) | 見えにくさ・まぶしさ | 色の明度差(コントラスト)をつける(段鼻・手すり・スイッチ)、まぶしくない照明 |
| 聴覚障害 | 音による情報が届かない | インターホン・火災警報を光(フラッシュ)や振動で知らせる機器 |
本試験レベル演習(全肢解説)
本試験と同じく「最も適切なもの/不適切なもの」を選ぶ形式です。4肢すべてに解説があります。
福祉住環境整備の考え方に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 住環境整備は、本人の自立支援と安全の確保を重視して行う。
- 住宅改修に先立ち、本人の心身状況や生活状況、家族の状況等のアセスメントを行う。
- 介護者の負担軽減だけを目的とし、本人の意向は確認しなくてよい。
- 本人の「できること」に着目し、それを生かせる環境を整える。
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正解:3
迷ったら「本人主体・自立支援・安全」。
ICF(国際生活機能分類)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 障害を、機能障害・能力障害・社会的不利の3つのレベルで一方向に分類するモデルである。
- 生活機能を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」でとらえ、環境因子と個人因子を背景因子とする。
- 住宅などの住環境は、ICFでは個人因子に分類される。
- ICFは、できないことの把握に特化した分類である。
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正解:2
ICIDH(1980)=マイナス・一方向、ICF(2001)=プラスも・相互作用。
高齢者の視覚の特性と配慮に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 水晶体の混濁により、まぶしさ(グレア)を感じやすくなる。
- 明るい場所から暗い場所に移ったとき、目が慣れるまでに時間がかかる。
- 高齢者はまぶしさに強くなるため、裸電球などの直接照明が適している。
- 住宅内の照明は、若年者より明るめに計画する。
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正解:3
高齢者は「暗さにもまぶしさにも弱い」。明るく、でもまぶしくなく。
高齢者の心身の特性に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 聴力は、一般に低音域から低下する。
- 体温調節機能が低下し、急激な温度変化によるヒートショックを起こしやすい。
- 下肢の筋力が低下し、わずかな段差でもつまずきやすくなる。
- 骨粗しょう症により、転倒による骨折を起こしやすい。
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正解:1
聴力は「高い音から」衰える。
右片麻痺のある人の住環境整備に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 廊下の手すりは、往路で右手が使える位置にだけ設置した。
- 階段は、上りは左足(健側)から、下りは右足(患側)から踏み出すよう指導した。
- ベッドから車いすへの移乗は、右側(患側)に車いすを置いて行うよう配置した。
- 居室の出入口は、開閉時に体の前後移動が必要な開き戸とした。
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正解:2
階段は「上りは健(け)から、下りは患(か)から」。
パーキンソン病の人の住環境整備に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- すくみ足への対策として、床に目印となるテープを一定間隔で貼る。
- 小刻み歩行でつまずきやすいため、室内の段差を解消する。
- 方向転換の多い複雑な動線は避ける。
- 症状が進行しないよう、手すりは設置せず自力歩行だけで生活できるようにする。
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正解:4
パーキンソン病の4大症状:振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害。対策は「転倒予防」。
関節リウマチの人の住環境整備に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- ドアの取っ手は、握る動作の不要なレバーハンドルとした。
- 水栓金具は、手のひらや腕でも操作しやすいレバー式とした。
- 立ち座りの負担を軽くするため、便座やいすの座面を低くした。
- 重い開き戸を、軽い力で開閉できる引き戸に交換した。
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正解:3
関節リウマチは「握らない・かがまない・高めに座る」。
転倒予防に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 骨粗しょう症の高齢者は、転倒による大腿骨頸部骨折を起こしやすい。
- 浴室の床は、水にぬれても滑りにくい床材とする。
- 夜間のトイレ移動に備え、廊下に足元灯を設置する。
- 高齢者はすり足になるため、5mm程度の段差は問題にならない。
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正解:4
「このくらいなら大丈夫」は禁物。小さな段差ほど気づかずつまずく。
認知症のある人の住環境整備に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 新しい環境に慣れてもらうため、改修を機に家具の配置を大きく変更した。
- トイレの場所が分かるよう、扉に表示をつけた。
- 徘徊を防ぐため、本人の部屋に外から鍵をかけて閉じ込めた。
- 間違った行動をしたときは、その場で強く注意して理解させた。
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正解:2
認知症の整備は「変えない・分かりやすく・尊厳を守る」。
視覚障害のある人の住環境整備に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 全盲の人のために、手すりを途切れないよう連続して設置した。
- ロービジョンの人のために、階段の段鼻に周囲と明度差のある色をつけた。
- 全盲の人の生活に変化をつけるため、家具の配置を定期的に変更した。
- まぶしさを軽減するため、光源が直接目に入らない照明とした。
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正解:3
全盲は「記憶と触覚」、ロービジョンは「コントラスト」。
聴覚障害のある人の住環境整備として、最も適切なものはどれか。
- 来客を知らせるため、インターホンの音量を上げるだけで対応した。
- インターホンや火災警報器に、光(フラッシュ)で知らせる装置を併用した。
- 音による情報は不要なため、火災警報器は設置しなかった。
- 聴覚障害者には、照明の明るさの配慮は不要である。
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正解:2
聴覚障害は「音を光と振動に置き換える」。
福祉の理念・用語に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- ノーマライゼーションは、デンマークのバンク-ミケルセンが提唱した理念である。
- ユニバーサルデザインは、最初からできる限り多くの人が利用しやすいように設計する考え方である。
- バリアフリーは、障害のある人が生活するうえでの障壁を取り除く考え方である。
- ユニバーサルデザインとバリアフリーは、まったく同じ意味である。
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正解:4
バリアフリー=後から除く、UD=最初からつくらない。
直前チェックリスト
- ☐ 住環境整備の目的:自立支援・安全・介護負担軽減・QOL向上
- ☐ ICF(心身機能・活動・参加+環境因子・個人因子)とICIDHの違い
- ☐ 高齢者:まぶしさに弱い・高音域から聞こえにくい・下肢筋力低下
- ☐ ヒートショック対策
- ☐ 片麻痺:手すりは健側、階段は上り健側・下り患側、移乗は健側へ
- ☐ パーキンソン病:4大症状、すくみ足には床の目印
- ☐ 関節リウマチ:レバー式・高めの座面・引き戸
- ☐ 認知症:環境の変化は最小限、否定しない、閉じ込めない
- ☐ 全盲:手すりの連続・配置を変えない、ロービジョン:コントラスト
- ☐ 聴覚障害:光・振動で知らせる
- ☐ ノーマライゼーション=バンク-ミケルセン、UDとバリアフリーの違い
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※本記事は令和8年(2026年)9月時点の法令・公表情報をもとに作成した学習用オリジナル教材です。試験日程・出題形式・法令数値は改正される場合があります。受検前に必ず試験実施機関の最新の公式情報でご確認ください。
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